Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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債権総則 II 足立 祐一
選択  2単位
【法律】 17-1-1210-4475-02

1. 授業の概要(ねらい)

 民法第3編「債権」の第1章「総則」を対象にします。債権は、「人の人に対する権利」や「ある特定の人が他の特定の人に対して一定の行為を請求できる権利」と言われることもありますが、本科目では、債権とは何か、債権がどのように実現され、消滅していくのか、について民法の定めている規律について学んでいきます。
 扱う内容は、抽象的なものが多いですが、具体例などを用いて受講者の理解の一助になるよう努めたいと考えます。

2.
授業の到達目標

 ①債権総則の規定の内容や考え方、解釈についての基礎知識を修得すること。
 ②修得した基礎知識を具体的な問題に即して活用できるようにすること。

3.
成績評価の方法および基準

 原則として学期末の試験によって成績を評価します(100%)。状況に応じて、レポート、小テストを実施する場合があります。

4.
教科書・参考書

 小型の六法を必ず授業時に持参すること。
 教科書:野村豊弘・栗田哲男・池田真朗・永田眞三郎『民法Ⅲ 債権総論〔第3版補訂〕』(有斐閣、2012年)
     ※すでに他に利用している教科書があればそちらでも可
 参考書:中田裕康・窪田充見編『民法判例百選Ⅱ 債権〔第7版〕』(有斐閣、2015年)
     田山輝明『債権総論〔第3版〕』(成文堂、2011年)
 なお、レジュメ等配布物について初回で説明する予定です。

5.
準備学修の内容

 抽象的な内容を多く学修するので、理解しやすくするために、毎回の授業の前にどのような内容をこれから学ぶのか、確認することが必要となります。教科書の該当箇所を事前に読んでおくとよいでしょう。
 学修する範囲が広く、学んだ内容のつながりが分かるように整理をしておかないと、混乱して収拾がつかなくなってしまうので、定期的に授業で学んだことをきちんと復習しておきましょう。知識の定着にも有用です。
 試験には自分で問題の答えを説明できるかが関わってきますので、学んだことを文章にして説明できるか、考えることが大切です。

6.
その他履修上の注意事項

 ・授業の際には、忘れずに小型の六法を持参すること。
 ・自分が学んでいるものが、どのような制度なのか、どのような考え方によるものなのか、頭の中で常に確認しながら学修してください。
 ・民法総論や物権法に関連する部分が多くありますので、分からないところなどは民法総論や物権法の内容を参照してください。
 ・授業中の私語など、他の受講生の迷惑になる行為は禁止です。
 ・この科目は「債権総則I」の内容と連続しています。「債権総則I」の受講を前提に授業を進めていきます。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション、債権総則Iの復習
【第2回】
 責任財産の保全1:詐害行為取消権1(意義、要件)
【第3回】
 責任財産の保全2:詐害行為取消権2(行使の方法、効果)
【第4回】
 多数当事者の債権関係1:序説、分割債権・分割債務関係、不可分債権・不可分債務関係
【第5回】
 多数当事者の債権関係2:連帯債務1(意義、要件、対外的効力について学ぶ)
【第6回】
 多数当事者の債権関係3:
  連帯債務2(影響関係、内部関係)
  保証債務1(保証債務とは、保証債務の効力)
【第7回】
 多数当事者の債権関係4:保証債務2(保証人の求償権、連帯保証、継続的保証)
【第8回】
 債権関係の当事者の交替1:序説(債権の譲渡性)、債権譲渡1(意義と機能)
【第9回】
 債権関係の当事者の交替2:債権譲渡2(債権譲渡の対抗要件)
【第10回】
 債権関係の当事者の交替3:
  債権譲渡3(債権譲渡の効果、将来債権の譲渡)
  債務引受、契約譲渡(契約上の地位の移転)
【第11回】
 債権の消滅1:序説、弁済1(意義と性質、弁済の提供、弁済による代位)
【第12回】
 債権の消滅2:弁済2(債権の準占有者への弁済、弁済の充当)、代物弁済、供託
【第13回】
 債権の消滅3:相殺1(意義と性質、機能、相殺の要件)
【第14回】
 債権の消滅4:相殺2(相殺の禁止、相殺の方法、効果)、更改・免除・混同
【第15回】
 まとめと試験
 ※上記授業計画は、状況に応じて変更することがあります