Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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公共政策論 I 井川 博
選択  2単位
【法律】 17-1-1210-4647-03

1. 授業の概要(ねらい)

 社会には、環境問題、雇用問題、教育問題など、個人では解決することが困難な多くの公共的な問題(政策課題)がある。公共政策とは、こうした公共的問題を解決するための、解決の方向性と具体的な手段であり、国や地方自治体などによって、様々な公共政策が実施されている。
 公共政策論Ⅰでは、公共政策に関する基本的な概念、理論を学び、政策課題の解決に役立つ基本的な知識を得ることを目指している。授業では、公共政策の意義、公共政策学の歴史について学んだ上で、政策課題の設定、問題構造の分析など公共政策の策定(デザイン)に関する講義を行う。また、政策決定の合理性、利益・制度との関係など公共政策の決定の問題について学ぶとともに、公共政策の実施と評価などについても講義することとしている。

2.
授業の到達目標

 ①公共政策の基礎的な概念、理論について理解できる。
 ②政策課題の解決に役立つ基本的な知識を修得する。
 ③公共政策に関する新聞記事を理解できる(興味持って読むことができる。)。

3.
成績評価の方法および基準

 学期末試験(70%)、レポート又は小テスト(30%)を基本とし、これに平常点を加味して判定する。

4.
教科書・参考書

 教科書:秋吉貴雄・伊藤修一郎・北山俊哉著『公共政策学の基礎[新版]』(有斐閣、2015年)
 参考書:参考書、参考文献については、授業の中で適宜紹介する。

5.
準備学修の内容

 ①各回の授業内容に関する教科書の該当部分を事前に読み、重要な用語(キーワード)の意味を理解しておくこと。
 ②新聞に目を通し、出来るだけ授業(公共政策)に関係する記事を読んでおくこと。

6.
その他履修上の注意事項

 ①講義では、レジメを配付する予定である。
 ②講義の内容を、レジメ、教科書で確認し、復習すること。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 「公共政策論Ⅰ」の授業の進め方を説明するとともに、「公共政策とは何か」について学ぶ。
【第2回】
 公共政策の種類(類型)、公共政策へのアプローチの方法について学ぶ。
【第3回】
 公共政策学がどのように形成され、展開したのか、その系譜(歴史)について学ぶ。
【第4回】
 公共政策のアジェンダ(課題)がどのように選別され、検討の対象とされるのか、について学ぶ。
【第5回】
 政策課題(問題)の構造、要因(原因)をどのように明らかにするかについて考える。
【第6回】
 サービス給付、法令規制など、公共政策の目的を達成するための手段について学ぶ。
【第7回】
 公平、効率性など、公共政策が目指すべき規範、価値について考える。
【第8回】
 政策決定における合理的な意思決定とその限界について学ぶ。
【第9回】
 人々の利益がどのように調整されて政策になるのか、について学ぶ。
【第10回】
 政策決定と制度(行動のルール、構造)との関係について学ぶ。
【第11回】
 政策決定とアイディア(理念)との関係について学ぶ。
【第12回】
 政策の決定と実施の関係、実施の現場の課題などについて学ぶ。
【第13回】
 公共政策の評価の種類、機能などについて学ぶ。
【第14回】
 市場メカニズムの活用、地方分権、住民参加など公共政策管理システムのあり方について考える。
【第15回】
 講義のまとめと質疑、意見交換を行う。