Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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公共政策論 II 井川 博
選択  2単位
【法律】 17-1-1210-4647-04

1. 授業の概要(ねらい)

 地方自治体は、福祉、教育、インフラ整備、警察・消防、産業振興など、住民の福祉向上のため多くの施策を行っている。地方分権が実施され、少子高齢化、人口減少が進展する中で、地域福祉の充実、地域の振興など公共政策における地方自治体の役割は、ますます大きなものとなっている。
 そこで、公共政策論Ⅱでは、公共政策論Ⅰを踏まえて、地方自治体の公共政策を中心に講義を行う。地方自治体の公共政策の役割、国との関係について学んだ上で、地方自治体における計画、予算、評価などの公共政策の形成・実施過程、住民との関係や議会の役割について講義を行う。また、条例による公共政策の実施、先進的な政策づくり、政策能力の向上などについても講義を行い、日本の地方自治体の公共政策の現状と課題に対する理解を深める。
 地方自治体の実例も踏まえて講義を行う予定であり、特に地方公務員を目指す学生には受講を勧めたい。

2.
授業の到達目標

 ①地方自治体の公共政策の役割と政策形成の仕組みについて理解できる。
 ②地方自治体の公共政策の実情や重要な課題について基礎的な知識を修得する。
 ③地方自治体の公共政策に関する新聞記事を理解できる(興味持って読むことができる。)。

3.
成績評価の方法および基準

 学期末試験を基本とし、これに平常点等を加味して判定する。

4.
教科書・参考書

 参考書:岩崎忠著『自治体の公共政策』(学陽書房、2013年)
      秋吉貴雄・伊藤修一郎・北山俊哉著『公共政策学の基礎[新版]』(有斐閣、2015年)
   その他の参考書、参考文献については、適宜授業の中で紹介する。

5.
準備学修の内容

 ①参考書など講義に関係する資料を事前に読んでおくこと。
 ②新聞に目を通し、出来るだけ地方自治体の公共政策に関係する記事を読んでおくこと。

6.
その他履修上の注意事項

 ①講義では、レジメを配付する予定である。
 ②講義の内容を、レジメ、参考書などで確認し、復習すること。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 「公共政策論Ⅱ」の講義の概要などを説明するとともに、公共政策の形成、実施における地方自治体の役割について学ぶ。
【第2回】
 公共政策の形成、実施における国と地方自治体の関係について学ぶ。
【第3回】
 地方自治体における公共政策の形成・実施のプロセスについて学ぶ。
【第4回】
 地方自治体の総合計画等による政策形成の現状とその課題について学ぶ。
【第5回】
 地方自治体の予算編成と公共政策の形成との関係について学ぶ。
【第6回】
 地方自治体における公共政策の評価の現状とその課題について学ぶ。
【第7回】
 公共政策の形成、実施における地方自治体と地域、住民との関係について学ぶ。
【第8回】
 自治体活動への住民参加の事例について学ぶ。――厚木市
【第9回】
 地方自治体の公共政策の形成・実施における議会の役割について学ぶ。
【第10回】
 地方自治体の条例による政策の展開について学ぶ。
【第11回】
 条例による政策実施の事例について学ぶ。――空き家条例等の制定
【第12回】
 先進的な政策づくりの取組みについて学ぶ。――飯田市、川西市
【第13回】
 地方自治体における政策能力向上の取組みとその課題について学ぶ。
【第14回】
 地方分権、住民参加、地方議会の活性化など、地方自治体における公共政策のあり方について考える。
【第15回】
 講義のまとめと質疑、意見交換を行う。