Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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日本文化講読(古典文学B) I 鈴木 宏昌
選択  2単位
【日本文化】 17-1-1310-0303-09

1. 授業の概要(ねらい)

 『源氏物語』の入門講座で、作中人物論を中心にして作品研究を進めていきます。光源氏や紫の上、明石の君、六条御息所といった主要人物に照明を当てて、その人物像を明らかにし、その人物の荷う意味や思想、物語世界に果す役割や機能を考察します。
 また、『竹取物語』『伊勢物語』『宇津保物語』などの作品に見られる物語の話型との異同について検討していきます。「天人女房説話」「異郷訪問説話」「継子いじめ」「生田川説話」などの話型について、先行の物語文学と比較検討することによって、『源氏物語』の主題や思想を明らかにしていきたいと思います。また、生霊・死霊といった怨霊の問題、六道輪廻や極楽往生といった仏教思想の問題についても考えていきます。
 具体的にはプリントを配布して『源氏物語』の主要な場面を読みながら諸説を紹介して解説してゆくことになります。

2.
授業の到達目標

 授業の内容を理解し、研究の課題を把握したうえで、自分の興味をもった事項について整理・調査し、自分の意見や考えを発表できるようにする。

3.
成績評価の方法および基準

 出席状況を前提(50%)として、授業内試験(50%)で総合評価します。

4.
教科書・参考書

 テキスト:こちらでプリントを用意します。
 参考文献:授業中に指示します。

5.
準備学修の内容

 授業の予習としてプリントをよく読んできてください。そして、意味のわからない言葉については辞書などを使って調べてきてください。また、理解できない事柄については文章にしてまとめて授業時に質問してください。

6.
その他履修上の注意事項

 復習して自分の課題を見つけてください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 源氏物語と紫式部(作者・成立)
【第2回】
 源氏物語の主題(いろごのみの理想)
【第3回】
 藤壺の物語1(「輝く日の宮」の問題)
【第4回】
 藤壺の物語2(天人女房説話)
【第5回】
 藤壺の物語3(伊勢の斎宮の物語・伊勢信仰)
【第6回】
 藤壺の物語4(呂太后と戚夫人・皇后(中宮)の位置)
【第7回】
 紫の上の物語1(紫のゆかり)
【第8回】
 紫の上の物語2(賀茂信仰)
【第9回】
 紫の上の物語3(かぐや姫の物語)
【第10回】
 紫の上の物語4(継子いじめの物語)
【第11回】
 明石の君の物語1(高藤伝説・山蔭流藤原氏)
【第12回】
 明石の君の物語2(住吉神の霊験譚Ⅰ)
【第13回】
 明石の君の物語3(住吉神の霊験譚Ⅱ)
【第14回】
 明石の君の物語3(海宮遊行説話)
【第15回】
 まとめと試験