Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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近代日本文化研究 II 濱田 陽
必修  2単位
【日本文化】 17-1-1310-0430-04

1. 授業の概要(ねらい)

 日本列島において十二支動物は、千数百年にわたって時間や方位の把握に用いられてきた。十二支の時空のシステムは数字の反復や清算ではなく、玄妙に変化する地球、太陽、月などの自然と生きものや人の関係として展開してきた。
 列島に伝承された神話、物語、民俗、宗教などを考察し、個性あふれる十二支動物を導き手として、生きとし生けるものが織りなす日本文化の時空に分け入り、伝統文化と近代化両方の知識を増やしながら近代日本及び現代文明がはらむ課題を深く学ぶ。

2.
授業の到達目標

 日本文化への多様な視座を養い、講義・教科書の内容をふまえて自身の感想を展開し、内容の深い考察を1000字相当でまとめる思考力、文章表現力を身につける。

3.
成績評価の方法および基準

 出席、授業内期末試験により総合評価

4.
教科書・参考書

 教科書『日本十二支考 文化の時空を生きる』(濱田陽、中央公論新社、2017年1月刊)
 *春学期の近代日本文化研究Ⅰから引き続き使用し、授業及び自宅学習、学期末試験で携帯する。

5.
準備学修の内容

 教科書の内容を予習・復習する。

6.
その他履修上の注意事項

 「生きもの」をテーマに様々な日本文化の姿にふれていくので、時間をかけて一歩一歩理解を深めていって欲しい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 日本文化と生きものたち
【第2回】
 辰−龍 激情を受けとめる/龍を失う/意味の方法 (第二部五章) 龍という生きものとの深い関わりから日本文化を学ぶ
【第3回】
 巳−蛇 大地、海、空/いのちと環境/生きた尺度 (第二部第六章) 蛇という生きものとの深い関わりから日本文化を学ぶ
【第4回】
 午−馬 日本馬の魂/時空を凝縮する/愛する理由 (第二部第七章) 馬という生きものとの深い関わりから日本文化を学ぶ
【第5回】
 未−羊 羊の影/変換力をあこがれ/ひつじの謎 (第二部第八章) 羊という生きものとの深い関わりから日本文化を学ぶ
【第6回】
 申−猿 近い親しさの畏敬/誇り高い自由/古代人の創造力の新鮮 (第二部第九章) 猿という生きものとの深い関わりから日本文化を学ぶ
【第7回】
 酉−鶏 勇敢な鶏の居るところ/たまご、ひよこ、恋するにわとり/神をも動かす声 (第二部第十章) 鶏という生きものとの深い関わりから日本文化を学ぶ
【第8回】
 戌−犬 ともに渡り、ともに生き抜く/会いたい、会えない想いを超えるとき/いつの日か花を咲かそうよ (第二部第十一章) 犬という生きものとの深い関わりから日本文化を学ぶ
【第9回】
 亥−猪 野生の猪に祈る/循環する亥/山の神としての猪 (第二部第十二章) 猪という生きものとの深い関わりから日本文化を学ぶ
【第10回】
 列島十二支のリズム、南方熊楠の地球十二支考について学ぶ (第三部第一章、第二章)
【第11回】
 日本文化と文化学の関わり、『死線を越えて』(賀川豊彦)と西田幾多郎にみる超越性及びそれらと時間との関わりについて学ぶ (第三部第三章、第四章)
【第12回】
 冬至、新年が示す新たな時空への旅立ちの意義について学ぶ(第三部第五章)
【第13回】
 試験テーマ発表
【第14回】
 試験テーマ解説
【第15回】
 授業内期末試験、全体講評