Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
創意ある教育課程の作成と評価 中田 正弘
必修  2単位
【教職大学院】 17-1-1331-1743-12

1. 授業の概要(ねらい)

 授業は、二人の教員によるチームティーチングの形態で行う。
 学校における教育課程、各教科・領域等におけるカリキュラムの作成・実施・評価についての理論を実習校や所属校での実践を踏まえつつ学び、創意ある教育課程を作成・実施・評価できる能力を養うことをめざす。
 学校における教育課程や各教科・領域等のカリキュラムについて、国内外の特色ある事例を収集し、その現状や課題について互いに議論しながら、教育課程編成に必要な条件や要素を検討し、教職の意義・教育の基礎理論と結びつけながら理解できるようにする。また、実習校での事例などの分析を通して、自らの創意工夫を生かした教育課程やカリキュラムを作成し、グループによる検討を通じて、カリキュラムコーディネーターとして必要な知識や技能の習得をめざす。
 なお本講義では教育課程の編成や管理に関わる教育行政担当者等をゲストスピーカーとして1~2回招聘する。

2.
授業の到達目標

 《A類学生》
  ・教育課程の意義や原則を理解し、各教科・領域等におけるカリキュラムの編成・実施・評価について、教職の意義・教育の基礎理論、実習校での経験を踏まえ、実践的にそのあり方を究明するとともに、学校や地域の特性を踏まえた特色ある教育課程を比較・検討することができる。
 《B1類学生》
  ・教育課程経営のあり方について、教職の意義・教育の基礎理論を踏まえて理解を深め、自校の教育課程編成に関する課題を明らかにし、カリキュラムコーディネーターとして、改善策を提示したり、他の教員に対して指導助言できる。
  ・各教科等のカリキュラム作成に必要な条件や要素を整理し、学校の特色を生かしたカリキュラムを作成・評価・改善することができる。
 《B2類学生》
  ・教育課程経営のあり方について、教職の意義・教育の基礎理論を踏まえて理解を深め、時代の変化や要請を見通し、地域社会の実情を考慮しながら、めざす教育の実現に向けた教育課程の編成・実施・評価・改善のあり方について説明したり、適切に指導助言したりすることができる。
  ・各教科等のカリキュラム作成に必要な条件や要素を整理し、創意あるカリキュラムを作成・評価・改善するとともに、その説明や指導助言をすることができる。

3.
成績評価の方法および基準

 ・まとめのテスト(60%)、レポート及び課題(20%)、授業への参加姿勢(20%)、議論への参加姿勢・態度を日常的に評価する。
 ・ストレートマスターは、学校の教育課程について、その特色や課題を整理し、実習校での経験を踏まえながら自分の意見をまとめたレポートを評価する。
 ・現職教員は、勤務校の教育課程の課題を整理し、その具体的な改善策を発表し、その内容を評価する。

4.
教科書・参考書

 ・学校種に合わせ、学習指導要領解説総則編を準備すること。
 ・資料は、授業内容に合わせて適宜配布する。

5.
準備学修の内容

 ・所属校・実習校の教育課程や特色ある教育活動を理解して授業に参加すること。

6.
その他履修上の注意事項

 ・紹介した参考文献は一読すること。
 ・所属校・実習校の教育活動を教育課程と関連付けて観察すること 。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 学習指導要領における教育課程編成の方針を理解する
 ・学習指導要領における教育課程編成の一般方針を基に、教育課程編成上のあり方とその課題についての理解を深める。
【第2回】
 教育課程の意義とその背景を理解する
 ・公教育における教育課程の意義と法的根拠及び教育課程経営について理解を深める。
【第3回】
 教育課程編成における「創意」について考える
 ・学校の具体例を基に、教育課程を編成する際、学校や地域の特色を生かすための取り組みについて理解を深める。
 ※B類学生は、所属校の教育課程を事例にしながら具体的な議論を進める。
【第4回】
 <第4回~7回は、A類・B類に分かれ、別教室で授業を行う>
 (A類)生活科・総合的な学習の時間と教育課程編成との関係を理解する。
 ・生活科・総合的な学習の時間の単元計画を収集・検討し、教育課程編成との関連からその意義を理解する。
 (B類)生活科・総合的な学習の時間の教育課程上の位置づけとその意義を理解する。
 ・学校の特色を生かした生活科・総合的な学習の時間の実践的な取り組みを例に、その教育課程上の位置づけと意義や課題を探る。
【第5回】
 (A類)生活科・総合的な学習の時間の単元計画づくり
 ・グループごとにテーマを設定し、総合的な学習の時間又は生活科の単元計画づくりに取り組む。
 (B類)学校運営に必要な条件や要素を考える
 ・学校を運営していくために必要な条件や要素について、グループに分かれて検討し、全体討議をしながら理解を深める。
【第6回】
 (A類)生活科・総合的な学習の時間の単元計画づくり
 ・グループごとにテーマを設定し、総合的な学習の時間又は生活科の単元計画づくりに取り組む。
 (B類)教育課程編成の課題を明らかにする
 ・所属校や実習校の教育課程を分析し、編成上の実情や課題を明らかにしながら、教育課程の「特色」について考える。
【第7回】
 (A類)生活科・総合的な学習の時間の単元計画づくり
 ・グループごとにテーマを設定し、総合的な学習の時間又は生活科の単元計画づくりに取り組む。
 (B類)国内の先進校の教育課程を学ぶ
 ・創意ある教育課程を編成している先進校の事例について、実習校や所属校の教育課程と比較しながら検討する。
【第8回】
 生活科・総合的な学習の時間の単元計画についての検討
 ・A類学生は、各グループで作成した総合的な学習の時間又は生活科の単元計画について、教育課程編成の立場からプレゼンテーションを行う。B類学生は、A類学生のプレゼンテーションに対して、指導助言を行う。
【第9回】
 創意ある教育課程について特色ある研究校に学ぶ
 ・小・中一貫教育について、数年間の研究を積み上げてきた学校の事例を取り上げ、その成果と課題について検討する。
【第10回】
 諸外国における学校教育の現状から学ぶ① オランダ
 ・諸外国の学校教育の実情を知り、これからの日本の学校教育における教育課程のあり方を考える。
【第11回】
 諸外国における学校教育の現状から学ぶ② フィンランド
 ・諸外国の学校教育の実情を知り、これからの日本の学校教育における教育課程のあり方を考える。
【第12回】
 諸外国における学校教育の現状から学ぶ③ イギリス
 ・諸外国の学校教育の実情を知り、これからの日本の学校教育における教育課程のあり方を考える。
【第13回】
 教育課程の評価について
 ・教育課程の評価の観点やその方法について、学校や地域の実情を踏まえながら議論し、そのあり方を考える。
【第14回】
 行政機関の教育課程管理について理解を深める
 ・学校の指導助言に携わっている教育委員会の指導主事等から、学校の教育課程管理についての実情を聞き、教育課程編成や教育委員会の施策について、教職の意義・教育の基礎理論を踏まえて理解を深める。
【第15回】
 教育課程の課題を克服するための改善策を提案する
 ・実際の学校の教育課程の実情と課題を知り、その改善策について議論を深める。
 ※B類学生は勤務校の教育課程の課題を整理し、その改善案を提案し、全体で議論を深める。