Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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授業づくりと教材研究 I (人文系) 小山 惠美子
選択  2単位
【教職大学院】 17-1-1331-1848-12

1. 授業の概要(ねらい)

 授業は、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 「教材とは何か」を理解し、「教材研究」と「学習指導案の立案の仕方」を具体的に学ぶ。それらの成果を生かして、指導・計画・学習指導案の作成、授業実践(模擬授業等)を行う。
 さらに、それらの評価を行い、教材研究・教材開発を見直す。ここでは、特に人文系の国語科・社会科を中心にして展開する。

2.
授業の到達目標

 国語・社会科における授業作りを行う際の教材研究の方法を理解し、授業実践に活かす。
 <A類学生>
 ・人文系教科(主に国語、社会)の授業づくりにおける教材研究の仕方を理解し、その手法を獲得する。また、学習指導案を構成する要素や作成方法等について理解を深め、学習指導案を適切に作成したり、実習校での実践を通じて改善したりすることができる。
 ・学習指導における教材研究・教材開発の意義や方法を理解し、担当する人文系の教科等についてそれを実施し、授業実践を行うことができる。
 <B類学生>
 ・特に、人文系の教科の学習指導の在り方や、学習指導における評価の方法等について理論的に整理するとともに、学習指導案を適切に作成し、実践を通して理論を裏づけ、所属校等の教員やストレートマスターに助言することができる。
 ・教材の収集や選択、分析、教材化についての理解を深め、自己や学校の課題に基づく教材開発を主に人文系の教科において行うことができる。

3.
成績評価の方法および基準

 授業内の課題の達成状況や参加の状況 50%/学習指導案(改善案)の提出または、授業改善報告書などの提出 20%/見学のしおりづくりの活動 20%/自己評価、個人内評価 10% など

4.
教科書・参考書

 参考書
 田中耕治編『よくわかる授業論』ミネルヴァ書房
 他、適宜授業内で紹介する。

5.
準備学修の内容

 ・授業ノート(ポートフォリオ)の作成
 ・学習指導案の作成と教材研究
 ・実習校での授業実践
 ・見学のしおり等の作成

6.
その他履修上の注意事項

 ・実習による欠席については、当日の「実習日誌」などを代替えとして提出する。
 ・授業設計の能力を鍛える授業であり、実習で行う授業の事前準備や事後学習として役立てる。
 ・授業力の向上を目的とした授業である。授業力を高めたいものは、進んで受講してほしい。
 ・「教育実践課題研究」と連動させ、事前の授業プランの立案の場としても活用可能な授業である。
 ※受講生の数や実態に応じて、授業の内容を若干変更することもある。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 教材研究に関するオリエンテーション、教材とは(国語)
 ・各自の教材研究に関する課題を明確にし、今後の学びの計画を立てる。
【第2回】
 教材とは(社会)
 ・各自の教材研究に関する課題を明確にし、今後の学びの計画を立てる。
【第3回】
 各教科の教材研究(国語)
 ・国語科の教材研究はどのように行うか理解し、その特質や違いについて検討を行う。
 ・具体的な教材を取り上げ、教材研究をどのように行うか作業を通して検討する。
【第4回】
 各教科の教材研究(社会)
 ・社会科の教材研究はどのように行うか理解し、その特質や違いについて検討を行う。
 ・具体的な教材を取り上げ、教材研究をどのように行うか作業を通して検討する。
 (3、4回の内容は、国語と社会に分け、2回続けて行うこともある。授業DVDなどによる学びも含む。)
【第5回】
 学習指導案作成の手順と方法(国語)
【第6回】
 学習指導案作成の手順と方法(社会)
【第7回】
 演習の計画と教材研究(グループワーク)
 ※、、については、以下のような内容について留意する。
 ・A類学生:各教科等の学習指導の特性や学習指導要領との関連、学習指導案の作成方法等について理解する。
 ・B類学生:授業づくりの基本的な考えや枠組み、学習指導案の作成・改善、学習の評価について、理論と実践を交えて理解する。
【第8回】
 学習指導案の立案
 ・A類学生:検討材料となる学習指導案を作成し、提案する。
 ・B類学生:他者の作成した学習指導案について、知識・技能の習得及び活用の観点や教科の枠を超えた横断的な視点から課題と改善点を助言する。
【第9回】
 指導計画の作成とその検討
 ・前回の内容を受けて、指導計画を再度検討する。
【第10回】
 望ましい言語環境の工夫
 ・適切な言葉遣いによる想定発問、正確で丁寧な板書計画等、望ましい言語環境の工夫について理解し、整理を行う。
【第11回】
 模擬授業の実際(記録をとる、板書をするなど役割を分担してもよい。)
 ・A類学生:立案した計画に従って、模擬授業を行う。
 ・B類学生:指導モデル案を作成し、模擬授業と比べながら効果を検証する。また、適切な助言をする。
【第12回】
 模擬授業の検討と学習指導案の修正
 ・授業記録、観察記録などをもとに、模擬授業の反省・検討を行う。
【第13回】
 社会科見学の計画(フィールドワークを含む。)
 ・町探検や社会科見学等の校外学習の実地踏査を行い、見学のしおりを作成するための情報を収集する。
【第14回】
 社会科見学のしおりの作成
 ・見学した情報を基に、見学の目的や学習内容を明確にした見学のしおりを作成する。
【第15回】
 人文系教科における教材研究と教材開発(各自の成果と課題)
 ・これまでの授業内容を振り返り、「教材」及び「教材研究」の意義と可能性について検討する。