Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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未来を拓く教育課程の構成と課題 小山 惠美子
必修  2単位
【教職大学院】 17-1-1331-1848-14

1. 授業の概要(ねらい)

 授業は、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 学習指導要領を教科横断・系統的に理解し、学校教育全体の中で教科・領域などの教育内容を俯瞰し、地域・学校・児童生徒に即して教育課程を編成するための基礎的な理解を目指す。
 学習指導要領の歴史的変遷と特徴を教育の基礎理論、社会的要請を踏まえて概観し、その背景にあった理念や特色を理解するとともに、新しい学習指導要領の目標・内容について、学校段階を踏まえて教科横断・系統的に分析し、教育内容の系統性、児童生徒の発達段階との関係から考察を深める。
 地域・学校・児童生徒に即して教育課程を編成する意義と在り方について理解を深め、学習指導要領に基づく学校の教育課程編成の課題を理解し、考察する。

2.
授業の到達目標

 <A類学生>
  ・学習指導要領の変遷とその特色、改訂の趣旨や基本方針、各教科目標・内容、各校種間の系統性、国や都の教育改革の動向、教育課程編成の課題を理解・明確化することができる。
  ・学習指導要領と学校における教育課程の編成との関係を教職の意義などを考慮して理解することができる。
 <B1類学生>
  ・学習指導要領の変遷とその特色、改訂の趣旨や基本方針、各教科の目標・内容、各校種間の系統性、国や都の教育改革の動向を理解・明確化し、校内の教員に対して説明や指導・助言をすることができる。
  ・激動する社会における教育課程編成の課題を教育の基礎理論や教職の意義を踏まえて追究・理解し、プレゼンテーションすると共に、カリキュラムコーディネーターとして、校内の教員を指導・助言することができる。
 <B2類学生>
  ・学習指導要領の変遷とその特色、改訂の趣旨や基本方針、各教科目標・内容、各校種間の系統性、国や都の教育改革の動向を踏まえて、地域や学校の教員に対して説明や指導・助言をすることができる。
  ・変化する社会における教育課程編成の課題を教育の基礎理論や教職の意義を踏まえて追究・理解し、専門的な立場から、地域や学校の教員に対して指導・助言・共同研究していくことができる。

3.
成績評価の方法および基準

 授業の参加状況(30%)、感想・レポート・提出物等の出来(30%)、考察・分析・調査結果の発表・表現の出来(40%)などによって総合的に判定する。

4.
教科書・参考書

 参考書
  『幼・小・中・高校・特別支援学校の学習指導要領(総則・および各教科・道徳) 平成10年版・20年版』
  田中耕治編『よくわかる教育課程』 ミネルヴァ書房 2010年
  奥田真丈編『教科教育百年史』 建帛社 1985年
  日本カリキュラム学会編『現代カリキュラム事典』 ぎょうせい 2005年  など

5.
準備学修の内容

 ・各グループの演習の準備
 ・ポートフォリオの作成 

6.
その他履修上の注意事項

 ・実習で授業を欠席する際は、「実習日誌」などを代替えとして提出すること。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション
 教育の原点を探る-縄文時代に教育はあったのか
【第2回】
 身分差に応じた教育を考える-江戸時代の藩校と寺子屋の教育
【第3回】
 国民教育のスタートの課題を考える-明治維新の教育課題とその対応
【第4回】
 国民教育の歪曲化とその背景を考える-軍国主義下の学校教育
【第5回】
 占領下の教育に学ぶ-経験主義の教育を考える(昭和22年版学習指導要領の学力観と教育課程編成の特色)
【第6回】
 班別の調べ活動①-課題解決の見通しをつけよう
 4つの班を編成する。各班は第8回から第11回で発表・協議する学習指導要領改訂を担当する。
 学習指導要領改訂の背景-実施上の課題、社会の変化への対応
 学習指導要領改訂の基本方針、教育課程編成の特色
 ※A類学生は主として後者、B類学生は前者の追究・理解に力点を置く。
【第7回】
 班別の調べ活動②-発表の見通しをつけよう
 担当した改訂年次学習指導要領に関するまとめ、配布資料の準備
 研究・討議に関する想定問答の検討
【第8回】
 昭和30・33年版学習指導要領の改訂-経験主義から系統主義へ
【第9回】
 昭和43・44・45年版及び昭和52年版学習指導要領改訂-教育の現代化から人間化へ
【第10回】
 平成元年版及び平成10年版学習指導要領改訂-変化の時代=生涯学習の時代の教育
【第11回】
 平成20年版学習指導要領改訂-知識基盤社会の教育
【第12回】
 平成40年版学習指導要領改訂を構想しよう。
 A類学生は一つの班で、B類学生は二つの班に分かれ、対応、準備する。
 A類学生は第13回(重点課題の①ICT教育の時代の教育課程を構想する)を担当、B類学生は第14回(重点課題②創造力、社会力などに富んだエリートが育つ教育課程を構想する)、第15回(重点課題③反モラトリアム人間、脱学歴社会の時代の教育課程を構想する)を担当する。
 その際、実施上の課題、社会の変化への対応を教育の基礎理論や教職の意義を踏まえて検討し、改訂の基本方針等を立てるようにする。
 それらの検討を反映させて教育課程を編成する
【第13回】
 平成40年版学習指導要領改訂プラン①
 重点課題①ICT教育の時代の教育課程を構想する。
【第14回】
 平成40年版学習指導要領改訂プラン②
 重点課題②創造力、社会力などに富んだエリートが育つ教育課程を構想する。
【第15回】
 平成40年版学習指導要領改訂プラン③
 重点課題③反モラトリアム人間、脱学歴社会の時代の教育課程を構想する。
 まとめ(レポート提出)
 テーマ「各学校の教育計画や教育課程編成等の工夫や特色を論評しよう!」
 ・A類学生は、実習校の教育計画や教育課程編成について、学習指導要領との関係や地域、児童生徒の特質 等を踏まえ、その特色、強調点、工夫のポイントなどについて報告する。
 ・B類学生は、教育課程編成を担当したり指導・助言する立場に留意し、実習校等関係する学校の教育計画、 教育課程編成を分析し、成果と課題に留意し、改善案を検討、報告する。