1. |
授業の概要(ねらい) |
|
授業は、複数の教員によるティームティーチングの形態で行う。 学校教育においては、いじめ、不登校などをはじめ、様々な児童・生徒の心の問題に直面することが増えており、学校教育を円滑に進めるために必要不可欠な保護者の協力を得るためにも、適切な人間関係を構築するソーシャルスキルが教員に求められている。 一方様々な支援を必要とする児童・生徒への対応など、児童・生徒の心理に関する理解や洞察など、学校心理学の知見に基づいたカウンセリングマインドが改めて必要とされるようになってきた。特に特別支援学校では、その役割として「地域支援センター的機能」を構築することとされており、教育相談が教育活動の大きな位置を占めるようになってきた。 このように学校における教育相談は、教職を志す者が身につけなければならない基本的なスキルの一つになっている。本講座では学校におけるカウンセリングの基礎を知るばかりではなく、実践に活かすための技術とともに、事例等を通して自分が児童・生徒をはじめ他者とどう関わっていけるかといったカウンセリングマインドを養い、将来学校現場で役立つ人間性と知識・技能の獲得を目指す。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
<A類学生> 児童・生徒の心の問題、人との関わりの問題を理解する。 カウンセリングの基礎的な理論と技法、教育相談の実際を理解する。 教育相談を行う上での基本的態度を養う。 子どもたちの自己表現を感じ、自らのソーシャルスキルを高めるための方法を知る。 <B類学生> 児童・生徒の心の問題、人との関わりの問題を自らの実践に照らして理解する。 カウンセリングの基礎的な理論と技法、教育相談の実際を理解する。 教育相談を行う上での基本的態度を理解し、教職員に助言・指導できる力を養う。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
事例検討、ケースカンファレンス実習、心理アセスメント等についての理解と授業への参加態度から総合的に評価する。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
テキスト:使用しない。 参考文献:授業で必要な資料を配付し、内容に沿って紹介する。
|
5. |
準備学修の内容 |
|
これまでの経験や実習における体験および児童生徒等とのふれあいを敏感に感じ、幅広い見識を身につけるよう努めてほしい。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
カウンセリングマインドは知識だけで身につくものではなく、自らの感性を磨く努力と広く公平な知識、情報を理解し判断する力など、総合的な人間力が問われる。そこで、座学だけでなく体験学習やグループでの活動などを通して、自分を発見する、他者の気持ちを感じるトレーニングを取り入れるので、積極的に自己啓発に努めてほしい。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | (講義)オリエンテーション、この講座の目指すもの。学校教育の現状と課題、今現場で起きていること。 ・A類学生は実習先の事例を想起しながら学校不適応の現状に気づく。 ・B類学生は自分の経験から不適応を起こしている児童生徒の課題について考察する。 | 【第2回】 | (講義)子供の発達と不適応のメカニズム | 【第3回】 | (事例研究)学校不適応の現状と課題 ・A類学生は実習先で体験した学校不適応についてレポートする。 ・B類学生は自分が遭遇した学校不適応とどう改善を図ったかについてレポートする。 | 【第4回】 | (講義)心理療法とは?精神分析療法、来談者中心療法、認知行動療法とアドラー心理学 | 【第5回】 | (講義と演習)CR.ロジャーズの思想と来談者中心療法について① | 【第6回】 | (講義と演習)CR.ロジャーズの思想と来談者中心療法について② | 【第7回】 | (演習)構成的グループエンカウンター、自己表現・自己啓発トレーニングと感受性訓練 | 【第8回】 | (講義)学校教育相談の実際と基礎知識 | 【第9回】 | (講義と演習)子供のカウンセリング、遊戯療法 | 【第10回】 | (演習)ロールプレイング実習 | 【第11回】 | (講義)発達障害児と二次障害への対応 | 【第12回】 | (講義と事例研究)スクールカウンセラーの仕事とケースカンファレンス実習 | 【第13回】 | (講義と演習)心理アセスメントの実際① | 【第14回】 | (講義と演習)心理アセスメントの実際② | 【第15回】 | (講義と演習)まとめと学校心理学の展望 ・A類学生は自分が担任する学級の人間関係づくりについてシミュレーションする。 ・B類学生は学校カウンセリングの知識と技能をどのように他の教員に助言・指導するかについて考察する。 |
|