Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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小学校等における特別支援教育研究 砥抦 敬三
選択  2単位
【教職大学院】 17-1-1331-3066-09

1. 授業の概要(ねらい)

 授業は、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 学校教育法など法的位置付けから特殊教育と特別支援教育の違いなどを整理し、特別支援教育の流れとキーポイントを理解する。
 授業の中心は、小学校等の特別支援教育に関する今日的課題を整理するとともに、望ましい支援の実現に向けての具体的な検討を行う。特に個人・グループワークや協議を中心に進める。
 特に、B類学生については、これまでの指導経験をまとめ、発表を通して、指導助言する力量を身につける。

2.
授業の到達目標

 幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校における特別支援教育の推進を図るために、特別支援学校のセンター的役割や、各学校における特別支援教育推進のための校内委員会・特別支援教育コーディネーターの役割と連携の基本的な事項を理解するとともに、特別支援教育コーディネーターとして必要な技能を習得する。
 <A類学生>
  ・学校教育法第8章全般と特に第81条、また学校教育法施行規則第140条の規定を理解し、スクールリーダーとして、小学校等における特別支援教育を推進するために必要な知識や技能を習得する。
 <B類学生>
  ・学校教育法第8章全般(特に第74条と第81条)、並びに学校教育法施行規則第140条の規定を理解した上で、スクールリーダーや地域コーディネーター、巡回相談員として必要な知識と技能を習得する。

3.
成績評価の方法および基準

 15回の講義を通じて、個人・グループワークの内容や協議(10%)・発表(20%)、レポート(70%)等により評価。

4.
教科書・参考書

 テキスト
  特定のテキストは使用しない。
 参考書
  吉田昌義他編著『通常の学級におけるつまずきのある子の学習支援と学級経営』東洋館出版社
  東京コーディネーター研究会編『高機能自閉症・ADHD・LDの支援と指導計画』ジアーズ教育新社
  黒川君江編『教室で気になる子LD・ADHD・高機能自閉症児への手立てとヒント』小学館

5.
準備学修の内容

 1 授業の復習を行い、疑問点や新たな課題などについて調べ、追究して欲しい。
 2 児童が書き写しても良い楷書で書くようにする。

6.
その他履修上の注意事項

 1 障害のある幼児児童生徒、及び障害者に関するテレビ番組、新聞記事に関心をもってほしい。
 2 ボランティア活動、学習指導補助、学校行事の支援などを通して、できる限り障害児と関わる機会を設けて欲しい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 特殊教育と特別支援教育①(講義)
 学校教育法、学校教育法施行令、学校教育法施行規則における特別支援教育について、歴史的な変遷とその背景を理解する。
【第2回】
 特殊教育と特別支援教育②(講義)
 改正された学校教育法第8章全般(特に第74条と第81条)、学校教育法施行規則140条の規定内容について理解する。
【第3回】
 特殊教育と特別支援教育③(個人ワークによる演習)
 ・A類学生は、特別支援教育にかかる学校教育法の改正前と改正後整理する。
 ・B類学生は、特別支援教育にかかる学校教育法の改正前と改正後整理するとともに、改正の背景などを理解する。
【第4回】
 特殊教育と特別支援教育④(前回に続き個人ワークによる演習)
 ・A類学生は、特別支援教育にかかる学校教育法の改正前と改正後整理する。
 ・B類学生は、特別支援教育にかかる学校教育法の改正前と改正後整理するとともに、改正の背景などを理解する。
【第5回】
 特殊教育と特別支援教育⑤(協議)
 B類学生の司会により、個人ワークから理解した特別支援教育の考え方と法的な関係について協議する。
【第6回】
 特別支援教育コーディネーター(幼・小・中・高等学校、特別支援学校)の役割と課題①(講義)
 平成15年度から開始された特別支援教育コーディネーターについて、その背景や特別支援学校のセンター的役割について、現状と課題を理解する。
【第7回】
 特別支援教育コーディネーター(幼・小・中・高等学校、特別支援学校)の役割と課題②(演習)
 ・A類学生は、小・中学校と特別支援学校の特別支援教育コーディネーターの地域ネットワークについての構想を検討する。
 ・B類学生は、小・中学校と特別支援学校の特別支援教育コーディネーターの地域ネットワークについての構想を検討する。特に、地域の社会資源との関連を明らかにしていく。
【第8回】
 特別支援教育コーディネーター(幼・小・中・高等学校、特別支援学校)の役割と課題③(協議)
 B類学生の司会により、作成したネットワークの意義と課題について協議する。
【第9回】
 特別支援教育コーディネーター(幼・小・中・高等学校、特別支援学校)の役割と課題④(協議)
 ・A類学生は、校内委員会や校内研修における事例検討のロールプレイを体験する。
 ・B類学生は、校内委員会や校内研修における事例検討のロールプレイを体験するとともに、事例検討がスムーズに進むためのポイントを理解する。
【第10回】
 特別支援教育コーディネーター(幼・小・中・高等学校、特別支援学校)の役割と課題⑤(協議)
 B類学生の司会により、前回のロールプレイから学んだ事例検討の在り方を整理する。
【第11回】
 学校コンサルテーションの意義(講義)
 幼・小・中・高等学校における、学校コンサルテーションの在り方について理解する。
【第12回】
 学校コンサルテーションの実際①(講義・演習)
 特別支援学校の地域支援コーディネーター、あるいは巡回相談員を想定して、活動や連携の内容を学ぶ。
【第13回】
 学校コンサルテーションの実際②(協議・演習)
 A・B類学生 特別支援学校の地域支援コーディネーター、あるいは巡回相談員を想定して、事例をもとに記録の取り方を学ぶ。
【第14回】
 学校コンサルテーションの実際③(協議・演習)
 ・A類学生は、事例をもとに学校コンサルテーションのロールプレイを体験する。
 ・B類学生は、事例から小中学校等における適切なコンサルテーションの在り方を理解する。
【第15回】
 まとめ
 これまでに学んだことを元に、各自、幼・小・中・高等学校等における特別支援教育の推進に必要な要素についてまとめる。