Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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発達障害教育研究 砥抦 敬三
選択  2単位
【教職大学院】 17-1-1331-3066-10

1. 授業の概要(ねらい)

 授業は、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 特別支援教育に関する近年の法令や施策などを理解すると共に、特に発達障害教育を中核としながら、情緒障害教育についても現行の教育システムを踏まえつつ、校内支援体制や特別支援教育コーディネーターの活動と関連づけて、対象となる児童生徒に対する適切な対応方法を深めていく。

2.
授業の到達目標

 <A類学生>
  ・LD等の発達障害の児童生徒の理解と教育的支援について、特別支援教育への改革の背景や教育的意義、制度や具体的な施策の実際などを理解すると共に、校内支援体制や特別支援教育コーディネーターの活動と関連づけながらその在り方を学ぶ。
 <B類学生>
  ・特別支援教育への改革に関する様々な背景や制度などについて知見を深めるとともに、LD等の発達障害の児童の理解と教育的支援について、校内支援体制や特別支援教育コーディネーターの活動などについて具体策を提案できるようにする。

3.
成績評価の方法および基準

 15回の講義を通して、演習やグループワーク(10%)・発表(20%)、レポート(70%)で評価する。

4.
教科書・参考書

 テキスト
  特定のテキストは使用しない。
 参考書
  文部科学省『通級による指導の手引 改訂第2版』佐伯印刷
  東京コーディネーター研究会編『高機能自閉症・ADHD・LDの支援と指導計画』ジアース教育新社
  『精神薄弱教育実践講座13 軽度障害児の教育』ニチブン
  寺山千代子『自閉症と情緒障害教育』コレール社

5.
準備学修の内容

 1 授業の復習を行い、疑問点や新たな課題などについて調べ、追究して欲しい。
 2 児童が書き写しても良い楷書で書くようにする。

6.
その他履修上の注意事項

 1 LD等の教育問題に関するテレビ番組、新聞記事に関心をもってほしい。
 2 ボランティア活動、学習指導補助、学校行事の支援などを通して、できる限り児童生徒と関わる機会を設けて欲しい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 特別支援教育についての近年の流れ①(講義・討議)
 ・授業計画
 ・現時点で理解している特別支援教育について整理する。
【第2回】
 特別支援教育についての近年の流れ②(講義)
 通級による指導の制度化までの流れと特殊教育から特別支援教育に転換してきた経緯や歴史的背景について、文部科学省における調査会議による検討等について概説すると共に理解を深める。
【第3回】
 特別支援教育についての近年の流れ③(講義)
 特別支援教育に関する制度や法的位置付けについて理解を深める。
【第4回】
 情緒障害教育の歴史と教育の仕組み①(講義)
 情緒障害教育(特に自閉症スペクトラム)について、自閉症の定義の変化や対応などの歴史的経緯を理解すると共に、発達障害教育との関連から学校教育の位置付けについて学ぶ。
【第5回】
 情緒障害教育の歴史と教育の仕組み②(講義)
 情緒障害教育(特に心理的要因が関与する情緒障害)について、学校教育における制度的位置付けの変化などについて理解を深める。
【第6回】
 通級による指導の概要(講義)
 通級による指導の歴史的経緯と平成18年から実施されたLDやADHD等の通級による指導の対象と指導の実際について、現状の課題を把握する。
【第7回】
 特別支援学級における指導の概要(講義)
 小中学校における自閉症スペクトラムの児童生徒の実態把握と指導の実際について、現状の課題を把握する。
【第8回】
 通級による指導の教育課程編成(通級による指導)③(演習)
 ・通級による指導の教育課程編成について児童生徒の実態把握もとに作成する。
 ・A類学生は、通級指導教室の教育課程の編成について、対象とする児童生徒の実態を踏まえて作成する。
 ・B類学生は、通級指導教室の教育課程編成を行い、指導計画と通常の学級の教育との関連などの課題をまとめる。
【第9回】
 特別支援学級における教育課程編成(情緒障害特別支援学級)④(演習)
 ・情緒障害特別支援学級の対象とする児童生徒の実態を踏まえて、教育課程編成を行う。
 ・A類学生は、対象とする児童生徒の実態把握と指導内容から教育課程編成を行う。
 ・B類学生は、対象とする児童生徒の実態把握と指導内容から教育課程編成を行い、その実施についての課題をまとめる。
【第10回】
 特別な教育課程編成の課題(討議)
 ・特別支援学級や通級による指導の対象とする児童生徒の実態と特別な教育課程編成を通して、通級による指導や特別支援学級等の教育課程実施上の課題を討議するとともに、その解決策をまとめる。
 ・B類学生は、グループディスカッションを通して、ブレーンストーミングの重要性と調整役を体験する。
【第11回】
 小・中学校における校内体制の取組について①(演習)
 小・中学校における校内委員会や特別支援教育コーディネーターの活動について、聞き取り調査等を通して実態把握を行い、課題を明らかにする。
【第12回】
 小・中学校における校内体制の取組について②(演習)
 ・A類学生は、実態把握から得た課題を整理する。
 ・B類学生は、実態把握から得た課題に対する、解決策をまとめる。
【第13回】
 幼児期における発達障害教育の現状(講義)
 幼児期における発達障害の子どもへの対応について、幼稚園や保育所における現状と課題を理解する。
【第14回】
 高等学校及び大学等の段階における発達障害教育の現状(講義)
 高等学校や大学等の発達障害の学生の現状と課題を理解する。
【第15回】
 まとめと振り返り
 これまでに学んだことを元に、各自、発達障害教育に現状と課題についてまとめをする。