Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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学習・生活集団の育成と学級経営 岡田 行雄
必修  2単位
【教職大学院】 17-1-1331-3212-05

1. 授業の概要(ねらい)

 1 授業は、複数の教員によるチーム・ティーチングの形態で行う。
   児童生徒が充実した学級生活を送れる学級経営の理論並びに学級集団づくりの技法について、理論の習得を図ると共に、学級経営の改善・充実を図る実践力の育成を目指す。
 2 「学級」は、児童生徒の学校における学習や生活の基盤であり、その安定的な経営は教師の重要な役割である。
   そこで、学級経営や学年経営における教師の役割等を実践と理論を結びつけて考察するとともに、学級経営や学年経営の諸問題について事例を取り上げつつ、その因果関係や解決策を検討・考察する学習を進める。
   また、学級や学年の経営には保護者との連携・協力は欠かせないことから、情報発信の在り方をテーマに、具体的に考察を加え、自らも適切に実施できる力の育成を図っていく。
 3 学習内容によって、A類学生とB類学生を分けて授業を行う機会を設定する。
  ・教師が各回毎に、テーマに即した話題や課題を提供する。学生はA類・B類混合の学校種別のグループを編成したり、A類・B類学生を別のグループ編成にしたりして、提供された話題についてグループワークで討議や作業を行い、最後に全体で意見交換と協議を行う機会を設ける。
 4 グループワークにおいてA類学生は実習校の実践等を基に、実際的に理解の深化と実践的指導力の習得を目指す。B類学生はA類学生の理解や実践的指導力の向上のために、適切な導助言やアドバイスを行い、自らの多様な実践事例の収集とこれまでの経験を対象化し、自己向上に努める。

2.
授業の到達目標

 A類学生(ストレートマスター)は、学級経営の理論並びに学級集団づくり技法について、理解と習得を図るとともに、学級経営の改善充実に実践力を発揮することができる。
 また、信頼できる学校づくりと学級経営の観点から、保護者や地域との連携やそのための情報発信の在り方について理解を深め、実践に生かすことができる。
 B類学生は、学級経営にかかる今日的な課題を明らかにし、その目的や内容、方法等について、理論と実践を結びつけて理解し、メンターティーチャーとして、他の教員にアドバイスすることができる。
 また、保護者・地域と学校との望ましい連携のあり方について理解を深め、保護者等からの要望や保護者等への情報発信などにおいて他の教員をリードすることができる。
 さらに、学級経営にかかる今日的な課題を明らかにし、その目的や内容、方法、学級経営との関係について理論と実践を結びつけて理解し、学校経営方針に基づく組織的、効果的、安定的な学級経営が実現するよう、教職員に指導助言することができる。
 また、保護者・地域と学校との望ましい連携のあり方について理解を深め、学級経営の観点から、その具体策について教職員に指導助言することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 ・15回の講義・演習を通じての課題(レポート)(40%)、事例分析・プレゼンテーション(30%)、授業づくりへの取組み(30%)(発表等の対応)、を基に評価を行う。

4.
教科書・参考書

 テキスト:特定のテキストは使用しない(資料を配付する)。
 参 考 書:授業の中で適宜紹介する。

5.
準備学修の内容

 子どもは学級集団の中で社会性が培われると同時に、自分の個性を伸ばしていく。しかしときに、個が集団の中に埋没してしまったり、個の主張が強すぎて集団としてまとまらなかったりすることもある。
 望ましい個と集団の関係について自分なりの考えをまとめておくこと。

6.
その他履修上の注意事項

 自分自身がどのような学級生活を送ってきたかを想起し、そこで何を行い、何を学んできたか整理・検討しながら、望ましい学級集団の在り方とその経営の仕方について、自分なりの具体的な方向性を見いだしてほしい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション(AB合同)
 「学級経営」や学級集団の機能(学習集団と生活集団)に触れながら、各テーマについて説明し、学生の授業への姿勢を確かなものとする。
【第2回】
 学級開きの方法と課題(AB合同)
 学級担任として子ども、保護者に自分の学級経営の考え方を伝える最も大切な機会である学級開きについてロールプレイを行いながら考察する。
【第3回】
 児童・生徒理解をめぐる課題①(AB合同)
 学級担任として、指導に困難さを感じた子どもたちに対する見方・関わり方について、実践を基に課題を提供し、討議を深め、実践力を高める。
【第4回】
 児童・生徒理解をめぐる課題②(AB合同)
 学級担任として、教師名利を感じた子どもたちの例を取り上げ、学級担任としての子ども理解のあり方、学級担任としての在り方を考察する。
【第5回】
 学習集団としての学級をめぐる課題①(AB合同)⇒ (AB別)
 学習集団としての学級の役割について考察を深め、学習を成立させるための規律やルール作りについて協議する。
【第6回】
 学習集団としての学級をめぐる課題①(AB合同)
 学習集団としての学級の役割について考察を深め、学習を成立させるための規律やルール作りについて協議た内容を発表し合い、意見交換を行う。
【第7回】
 生活集団としての学級をめぐる課題②(AB合同)⇒ (AB別)
 生活集団としての学級の役割について考察を深め、学級担任として子どもの集団生活を成立させるためのルール作りの在り方を考察する。
【第8回】
 生集団としての学級をめぐる課題②(AB合同)
 生活集団としての学級の役割について考察を深め、学級担任として子どもの集団生活を成立させるためのルール作りの在り方を考察した結果を踏まえ意見交換を行う。
【第9回】
 生活集団としての学級をめぐる課題⑤(AB別)
 学級の文化・風土と子どもの居場所づくりについて、支持的風土を中心にその意義と課題について実践事例を基に検討し、実践的指導力の向上を図る。
【第10回】
 教師と子どもの人間関係づくりをめぐる課題①(AB別)
 受容と要求を核とした教師と子どもの人間関係の在り方や潜在的な教育の機能について実践事例を基に検討し、教師の役割について実践的指導力の向上を図る。
 A類、B類学生でそれぞれグループを作り、課題について協議する。
【第11回】
 教師と子どもの人間関係づくりをめぐる課題②(AB合同)
 いじめ、不登校の問題を取り上げ、不登校の子供が通学する全寮制の中・高等学校である生野学園長を外部講師として招き、不登校の課題について考察する。
【第12回】
 学級担任の仕事をめぐる課題①(AB合同)
 学級の経営方針や学級経営案、学年の共同経営など、学級担任としての仕事と役割について理解し、実践的なマネジメント能力の向上を図る。
【第13回】
 学級担任の仕事をめぐる課題②(AB合同)
 授業づくり、その分析と改善を軸に学級担任としての創意と工夫の在り方について実践的な力量形成をどう図っていくか、優れた教師の実践に学び、自覚を深める。
【第14回】
 地域・保護者との関係づくりをめぐる課題(AB合同)
 地域・保護者との関係づくりをどう図るか、学級通信、通知票、学級懇親会などを通して情報を発信し、連携をどう深めるかなど、実践的指導力の向上を図る。
【第15回】
 学習・生活集団の育成と学級経営(AB合同)
 ・本講義のまとめの講義を行うとともに、全体的な協議と個々の今後の学習課題を提示し、全体のまとめとする。