Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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授業づくりとメンタリング 澁澤 文隆
選択  2単位
【教職大学院】 17-1-1331-3233-11

1. 授業の概要(ねらい)

 授業は、2名の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 下記の指導事項に留意しながら、授業づくりや授業実践に対する指導・助言を行うことを通して、メンターとしての指導力を身につける。
 メンタリングについての理論的な理解に基づいて、連携協力校などでの授業参観やメンタリング対象の教師・学生への指導・助言などを体験し、その方法や有効性等について大学院で振り返りを行う。
 研究の対象となる授業の指導以外に、学生は必要に応じて相談活動を行う。
 具体的には、メンタリング対象の教師・学生が、最も切実に感じているテーマで研究授業を行うまでを支援し、その過程で授業づくりや授業実践に対する指導・助言の力を獲得できるようにする。
 学生は、メンタリング対象の教師・学生の実践を支援していく視点で、知識、経験、考えを出し合い、グループ討議をしながら授業を進めていく。
 ※本科目は、大学院での授業のほか、帝京小学校、連携協力校、近隣の小中学校等を積極的に活用して実施する予定である。

2.
授業の到達目標

 <A類学生>
 ・自分自身の授業づくりの能力を高めつつ、大学の教員やB類学生の授業づくりや授業実践を観察・参加していく中で、授業づくりの基本的理論・方法を理解し、実践力を修得する。
 <B類学生>
 ・自分自身の授業づくりの能力を高めつつ、メンタリング対象の教師・学生の授業づくりを支援・指導したり、校内外の授業研究などに参加して指導・助言したりする体験を通してメンタリングの力を修得する。

3.
成績評価の方法および基準

 期末テストの結果(30%)、レポートや提出物の出来(30%)、メンター・メンティー役になってのメンタリング実習の参加状況・出来(40%)を基本にして総合的に評価・判定する。

4.
教科書・参考書

 テキスト
  特定のテキストは使用しない。
 参考書
  秋田喜代美『教師教育における「省察」概念の展開― 反省的実践家を育てる教師教育をめぐって』(佐藤学・藤田英典他編『教育学年報5 教育と市場』世織書房1996)など、授業で必要に応じて紹介する。

5.
準備学修の内容

 教師の成長発達の契機について、実習校での観察や聞き取り調査を進めておくこと。

6.
その他履修上の注意事項

 実践的指導力や、メンタリングの力を高めることを目指して、実際に、メンターとして指導・助言を行うことを予定にしている。
 また、指導主事としての指導・助言の力量を高めることも目指している。
 ぜひ積極的に取り組んでほしい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 メンタリングとは
 メンタリングと何か。その意義、手法等について理解を深める。
【第2回】
 メンタリングする地域・学校・教師の理解
 メンタリングをする学校の教育課程、研究テーマ、指導する教師の問題意識・研究テーマ、及び、地域の社会・文化、学校と地域との連携などについて理解する。
【第3回】
 メンタリング対象の教師・学生との打ち合わせ
 ・指導する教師・学生の授業を参観し、メンタリングを行っていくための打ち合わせを行う。
 ・学級の様子、子どもたちの生活・学びの様子についての理解を深める。
【第4回】
 ※4~8回はメンタリング対象の教師・学生の授業づくりについて指導助言を行う。
 指導計画案づくりの検討と指導①
 授業の目標設定・指導の展開・評価の視点について協議・指導し、理解と指導力を高める。
【第5回】
 指導計画案づくりの検討と指導②
 ・指導計画を再検討すると共に、教材を研究・検討し、その指導力を高める。必要に応じて授業者と同行し、地域を調査・見学する。
 ・A類学生は授業者の教材研究のための資料の探索・調査の助手として活動する。
【第6回】
 授業案づくりの検討と指導③
 ・授業の目標設定・指導の展開・評価の視点について協議し、その理解と指導力を高める。
 ・個に即することの具体像・手立てを、授業案を作成しながら協議・指導し、その理解と指導力を高める。
【第7回】
 授業案づくりの検討と指導④
 個に即した授業の計画を協議・検討し、その理解と指導力を高める。
【第8回】
 研究授業の最終検討と、授業の記録のとり方
 研究授業の最終検討を行うと共に、授業の記録の意義・視点・取り方について協議し、A・B類学生の役割分担について打ち合わせを行い、研究授業の事前の準備の仕方の理解・指導力を高める。
【第9回】
 授業の参観と記録
 ・研究授業を参観・考察しながら、記録のとり方について学び、B類学生はA類学生を指導する力を高める。
 ・A・B類学生は役割分担し、授業の記録をVTRなどにとり、授業中の発問・発言などを掘り起こす。
【第10回】
 授業研究とその指導①
 授業記録の分析について検討しながら、授業分析の視点・方法の理解と指導力を高める。
【第11回】
 授業研究とその指導②
 子どもの発言の読み取りと教師の指導〔発言・板書・資料の扱い〕について検討しながら協議・指導する。
【第12回】
 都内公立学校での授業の参観と授業研究会への参加と指導①
 公立小中学校等での授業の参観と授業研究会に参加し、B類学生は必要に応じ指導助言の機会を得る。
【第13回】
 都内公立学校での授業の参観と授業研究会への参加と指導②
 公立小中学校等での授業の参観と授業研究会に参加し、B類学生は必要に応じ指導助言の機会を得る。
【第14回】
 指導資料の作成と活用
 メンタリングの際に活用する資料をA4用紙1枚程度で作成し、資料を活用した指導助言を行う。
【第15回】
 メンタリングの機能やメンターとしての成果・課題等についての振り返りを行う。