Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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生徒指導・特別活動の理論と事例研究 坂本 和良
必修  2単位
【教職大学院】 17-1-1331-3344-15

1. 授業の概要(ねらい)

 授業は、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 生徒指導上の諸問題とそれへの対応の諸実践について理解し、実践する力、及び特別活動、キャリア教育の意義・指導方法等について理解し、実践する力の獲得を目指す。
 児童生徒の生徒指導上の諸問題や背景について概観すると共に、生徒指導の現状と課題を明らかにし、その進め方を実践と理論の両面から整理する。また、特別活動、進路指導は児童生徒の健全育成にどのような役割を果たしているか、小学校や中学校、高等学校での資料収集や聞き取り調査等を通じて学校における実態の把握や考察を行い、児童生徒が教育諸領域の活動を通して発達課題の達成と社会的自立を図る力を育成するための実践的力量の育成を目指す。
 なお、それらの活動を協働で進めていく力と指導力・マネジメント力を身につける。

2.
授業の到達目標

 <A類学生>
  ・生徒指導上の諸問題と対応について事例研究などを手がかりとして広く究明し、生徒指導の実際について理解を図り、実践することができる。
  ・学校における特別活動の意義、指導法等について理解と習得を深めるとともに、特別活動の活性化に向けた活動を計画することができる。
  ・学校教育における体験活動の意義を明確にし、キャリア教育の視点に立った進路指導の進め方や指導計画立案について理解を深め、適切に指導することができる。
 <B1類学生>
  ・生徒指導上の諸課題を整理し、そのあり方や組織的な指導について理解を深めるとともに、改善策を提案したり、他の教員に指導助言したりできる。
  ・生徒指導や特別活動に係る諸課題への改善策の提案や検討を重視し、それを基に校内組織を生かし、自治的自発的な教育活動を推進するリーダーとしての役割を果たしたり、他の教員に指導したりできる。
  ・学校全体における体験活動の意義を理解し、体系的・系統的なキャリア教育を推進するために、全体計画や指導計画を作成したり、コーディネートしたりすることができる。
 <B2類学生>
  ・生徒指導上の諸課題を整理し、そのあり方や組織的な指導について理解を深めるとともに、生徒指導に当たる教員や学校に適切に指導助言できる。
  ・生徒指導や特別活動に係る諸課題への改善策の提案や検討を重視し、特別活動の活性化について、学校や教員への指導助言ができる。
  ・キャリア教育の視点に立ち、各校種における体験活動の関連も持たせ、組織的・系統的な進路指導のあり方や進め方について理解し、指導計画の作成や推進について、学校や進路指導の担当者への指導助言ができる。

3.
成績評価の方法および基準

 事例発表の内容(20%)、グループワークへの参加状況(20%)、課題レポート(60%)を総合して評価する。

4.
教科書・参考書

 テキストは特になし。
 参考文献等は授業で適宜紹介する。

5.
準備学修の内容

 生徒指導及び特別活動に関する文献や書籍を事前に学習し、基礎基本となる知識や理論を理解しておくこと。
 実習校及び在籍校での児童生徒の様子から課題事象を収集すること。

6.
その他履修上の注意事項

 授業はグループごとの発表が中心となるので、積極的に参加するとともに、疑問点や意見などを積極的に発表するなど意欲的な授業態度を期待する。
 授業の内容によって、A類学生とB類学生が別室で授業を受けることもある。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション
 授業内容及びスケジュールの確認、グループ作業
【第2回】
 生徒指導の現状と課題①(グループ発表)
 児童生徒を取り巻く環境の変化や生活と心の問題の現状と課題について理解を深める。
【第3回】
 生徒指導の現状と課題②(グループ発表)
 児童生徒を取り巻く環境の変化や生活と心の問題の現状と課題について理解を深める。
【第4回】
 生徒指導の現状と課題③(グループ発表)
 児童生徒を取り巻く環境の変化や生活と心の問題の現状と課題について理解を深める。
【第5回】
 生徒指導の意義と役割
 ・学校における生徒指導の意義と役割、機能、指導方法等について理論的に学習するとともに、集団と個人との関係を考え、児童生徒との適切なかかわり方についてロールプレイ等により習得する。
【第6回】
 生徒指導を推進する協働体制
 いじめを事例に、家庭との連携・協力、教職員の協働体制、関係機関との連携等、生徒指導や心の教育のあり方についてロールプレイを通じて考察を深める。
【第7回】
 学校における生徒指導のあり方
 学校における生徒指導の進め方を、実践と理論の両面から整理し、組織的指導の視点からの改善策も含めて資料等にまとめ、分かりやすく説明する。
【第8回】
 いじめ防止対策推進法①(グループ作業)
 法律の内容について理解する。
【第9回】
 いじめ防止対策推進法②(グループ発表)
 いじめ事例の分析と対応策を協議・発表
【第10回】
 いじめ防止対策推進法③(グループ発表)
 いじめ事例の分析と対応策を協議・発表
【第11回】
 学校における特別活動の指導①
 小・中・高等学校の特別活動の全体計画や年間指導計画等を収集し、目標・内容・方法等を分析し、学校における特別活動の年間指導計画作成の視点を検討する。
【第12回】
 学校における特別活動の指導②
 検討した視点をもとに、モデルとなる特別活動の全体計画や年間指導計画を作成する。
【第13回】
 キャリア教育①
 ・望ましい勤労観・職業観を育成するための小学校段階からのキャリア教育のあり方について、体験活動を重視した事例研究や学習指導要領の分析をもとに、系統的に整理する。
【第14回】
 キャリア教育②
 ・望ましい勤労観・職業観を育成するための小学校段階からのキャリア教育のあり方について、体験活動を重視した事例研究や学習指導要領の分析をもとに、系統的に整理する。
【第15回】
 キャリア教育③
 ・進路指導の実際を実習校の活動報告などから分析するとともに、学校における進路指導の全体計画や指導計画を作成したり、学校の進路指導をコーディネートしたりする。