【第1回】 |
子どもが獲得すべき学力とは何か 資料をもとに、知識・技能、教養、情報、学力の概念の違いをどう説明するかを、グループで話し合い、意見交換を行う。 |
【第2回】 |
教養の系譜と知識・技能の系譜 リベラル・アーツ的教養の系譜と近代の実学主義に由来する知識・技能の2つの系譜を説明し、「教養としての知識」(人文主義モデル)と「必要としての知識」(実学モデル)を統合する第3の知識論としてプラグマティズムの知識論(創生する知)を説明し、これについてグループで意見交換する。 |
【第3回】 |
「基礎学力」と「学ぶ力の基礎」の違い 実生活に必要な「知識・技能の定着」と「学ぶ力の基礎」はどこが異なるのかを検討する。創生する知識を支える「関心、意欲、態度」の問題を検討する。 ○A類学生は、戦後初期社会科の学習指導要領などを調べ、その考え方の基本を説明する。 ○B類学生は、戦後の学習指導要領において、「基礎学力」が重視されるようになった時期とその社会的背景を説明する。 |
【第4回】 |
戦後日本の学力論争を調べ、検討する。(第4回、5回、6回) ①勝田守一の学力規定:習得の度合が客観的に測定可能な知識体系に限定 ○A類学生は、勝田、梅根、上田の学力観を分担して調べ、比較対象の一覧表を作り、発表する。 ○B類学生は、上記3者の学力観は、どのような社会観を背景としているかを分担して調べ、発表する。 |
【第5回】 |
戦後日本の学力論争を調べ、検討する。 ②梅根悟の学力構造論:生活主義の視点からの四領域三層構造論 発表と意見交換 |
【第6回】 |
戦後日本の学力論争を調べ、検討する。 ③上田薫の動的相対主義:問題状況の中で個が生きる学力とは何か 発表と意見交換 |
【第7回】 |
状況的学習論――状況参加型学習 J. デューイの教育哲学、認知心理学、文化人類学における知の創生と文脈依存性を説明し、意見交換した後で、状況的学習論の考え方に基づいた試験問題(小中学校、教科を問わない)を各自で作成し、発表する。 |
【第8回】 |
PISA型学力とは何か 情報化、とローバル化の時代に求められる「リテラシー」としての学力を説明し、理解する。 ○A類学生は、PISA型学力で重視される「リテラシー」「キー・コンピテンシー」を調べ、旧来のリテラシー、学力概念と対比して発表する。 ○B類学生は、PISA型学力の背景にある「知識基盤社会」と「グローバル化社会」とは何かを調べ、それに対する学力観、評価観のイノベーション・モデルをまとめる。 |
【第9回】 |
「生きる力」と学力 学力は子どもが生きていく上で、どのような支えとなるのかを考える。第15期中教審最終答申にみられる「生きる力」の説明を踏まえて、こうした考え方が提示された社会的背景を検討する。 ○A類学生は、第15期中教審答申における「生きる力」の記述を調べ、それは、教科指導、特別活動、道徳の時間、総合的な学習の時間の内容をどう組みかえることになるのかを発表する。 ○B類学生は、教科指導、特別活動、道徳の時間、総合的な学習の時間の各々において、「生きる力」を育てる指導上のポイントを発表する。 |
【第10回】 |
子どもの生活経験と学力 子どもと自然、他者、事物と〈関わり合う〉生活経験の豊かさは、学力をどう支えるのか。都市部と農村部の子どもが地域で活動する総合的な学習の実践事例を検討し、都市部と農村部でどのような違いがみられるか、意見交換を行う。 |
【第11回】 |
「学力低下」問題 1990年代末から強まった「学力低下」問題は、ポスト近代化型の学校(自ら学び自ら考える子どもを育成する学校)にシフトしようとする流れを是正する機能を果たしたと見られるが、「学力低下」と言われるときの「学力」観を吟味し、意見交換を行う。 ○A学生は、1990年代末からの「学力低下問題」の論争点を調べ、発表する。 ○B学生は、新学習指導要領に見られる「学力」の意味づけを調べ、発表する |
【第12回】 |
総合的学習の実践事例分析① 小学校における総合的学習の時間の実践報告を分析し、そこに見られる子どもの学びの深度をどう意味づけるかをグループで検討し、発表する。 |
【第13回】 |
総合学習の時間の実践事例分析② 中学校における総合的学習の時間の実践報告を分析し、そこに見られる子どもの学びの深度をどう意味づけるかをグループで検討し、発表する。 |
【第14回】 |
学力をどのように評価するか 「新し能力」をどう捉えるか ○A学生は、教育評価の諸類型を調べ、発表する。 ○B学生は、望ましい学力観に適合した評価の形式を考え、発表する。 |
【第15回】 |
これからの時代に求められる学力観と評価 これまでの授業内容を踏まえて、受講生自身が「これからの時代に求められる学力観と評価」をレポートにまとめ、発表する。 ○A学生は、自己の実践を高度化する視点からレポートをまとめ、発表する。 ○B学生は、学力の向上を総合的にデザインする指導者の視点から、レポートをまとめ、発表する。 |