Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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発達障害教育授業研究 荒巻 恵子
選択  2単位
【教職大学院】 17-1-1331-3780-15

1. 授業の概要(ねらい)

 小・中学校・特別支援学校における発達障害の児童生徒の事例から、学校生活における課題を理解した上で、個別の指導計画作成のためのアセスメントの在り方(特に授業観察、行動観察等の視点等)を学び、指導計画を実際に作成するとともに、学習指導案への適用や効果的な指導方法などの支援について知見を深める。
 A類学生は、アセスメントの内容を把握し、実際の児童生徒の行動観察等を通して、個別の指導計画を作成できるようにする。また、指導方法の工夫について理解する。
 B類学生は、アセスメントの内容を把握し、実際の児童生徒の行動観察等を通して、個別の指導計画を作成し、授業に反映できるようにする。また、指導方法の工夫や教材の作成などについて理解する。

2.
授業の到達目標

 <A類>
 ・小・中学校等において、LD等の発達障害の児童生徒の生育・学習状況・集団参加等の的確な実態把握とともに、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校における個別の指導計画作成を行うとともに、指導記録の取り方等について理解し、具体的な事例を通して指導の工夫ができるようにする。
 <B類>
 ・小・中学校等において、LD等の発達障害の児童生徒の生育・学習状況・集団参加等の的確な実態把握とともに、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校などにおける個別の指導計画作成を行うとともに、指導記録の取り方等について理解し、具体的な事例を通して指導の工夫ができるようにする。また、学校見学をするなどして授業における適切な配慮や指導について理解できるようにする。

3.
成績評価の方法および基準

 15回の講義を通して、演習やグループワーク(10%)・発表(20%)、レポート(70%)で評価する。

4.
教科書・参考書

 特定のテキストは使用しない。

5.
準備学修の内容

 (1)授業の内容について復習を行い、疑問点を調べる。
 (2)レポート課題等は期日を守って作成・提出する。

6.
その他履修上の注意事項

 実際に学級や学校を見る機会を設定するので、理論と実践の往還を確実なものにしてほしい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 発達障害教育授業研究に関するオリエンテーション(講義・討議)
 授業計画を知るとともに、自分が読んだ書籍内容について感想を中心に発表する。
【第2回】
 発達障害の児童の学校生活における実態把握①(講義)
 小学校における発達障害の児童への気づきを中心に、アセスメントの概論について学ぶ。
【第3回】
 発達障害の児童の学校生活における実態把握②(講義)
 通常の学級担任ができるアセスメントの在り方について学ぶ。
【第4回】
 発達障害の児童の学校生活における実態把握③(講義)
 特別支援学級担任や通級指導教室担任及び特別支援学校が行うアセスメント方法について学ぶ。
【第5回】
 発達障害の児童の学校生活における実態把握④(講義)
 授業観察や行動観察の視点と記録方法について学ぶ。
【第6回】
 個別の指導計画の作成①(講義)
 個別の教育支援計画と個別の指導計画について概説する。
【第7回】
 個別の指導計画の作成②(演習・グループワーク)
 個別の指導計画の作成のための情報収集について、実際の事例を通して体験する。
 ◇A類学生は、授業観察等を通して、必要な情報の収集について理解する。
 ◇B類学生は、授業観察等を通して、アセスメントの具体的な視点やとらえ方を学ぶとともに、行動の背景などを分析し、具体的な支援策を検討する。
【第8回】
 個別の指導計画の作成②(演習)
 実態把握の情報をもとに、個別の指導計画を実際に作成する。
 ◇A類学生は、個別の指導計画作成の基礎的なことの指導を受けつつ、情報から得られた指導優先課題を整理することや、指導計画に反映するために討議を実施する。
 ◇B類学生は、共同で討議をしながら情報の精選を実施し、個別の指導計画に反映させる。
【第9回】
 個別の指導計画の作成③(演習)
 事例検討の情報をもとに、個別の指導計画を実際に作成する。
【第10回】
 個別の指導計画の作成④(演習・発表)
 各グループで作成した個別の指導計画を発表し討議する。
【第11回】
 授業作り(講義)
 発達障害の児童を含む通常の学級における授業、通級による指導や特別支援学級等の授業作りについて学ぶ。
【第12回】
 学習指導案の作成①(演習)
 グループ別に学習指導案の作成を行う。特に通常の学級での国語科・算数科の授業を想定する。
 ◇A類学生及びB類学生の混合グループによるワークを実施し検討する。
【第13回】
 学習指導案の作成②(演習)
 グループによる学習指導案の作成を行う。特に通常の学級での国語科・算数科の授業を想定する。
 ◇A類学生及びB類学生の混合グループによるワークを実施し検討する。
【第14回】
 学習指導案の作成③(演習・前回と同様のグループワーク)
 各グループワークの成果を発表し討議する。
【第15回】
 まとめと振り返り
 これまでに学んだことを元に、各自、発達障害のある児童の授業や学級経営についてまとめをする。