Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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道徳性を育てる授業づくりと授業研究 赤堀 博行
選択  2単位
【教職大学院】 17-1-1331-4668-14

1. 授業の概要(ねらい)

 授業は、複数の教員によるチームティーチングの形態で行う。
 全教育活動における道徳教育、要(かなめ)としての「特別の教科 道徳」の双方から道徳教育の「全体計画」、「年間指導計画」「学級における指導計画」の作成を行い、学校教育の全体像を見据えながら道徳教育の在るべき姿について追求する。また、一般的な道徳の資料や指導法だけでなく、子どもの実態や教師の願いを踏まえながら新しい資料の開発や指導法の工夫についても追求し実践、検証を行う。

2.
授業の到達目標

 <A類学生>
  ・道徳教育のベースにある「子ども理解」について考えを深め、道徳教育の要(かなめ)となる「特別の教科 道徳」の授業づくりにおける学習の内容や方法について研究することを通じて、授業づくりの方法を身につける。また、道徳教育に関する専門的な知識を習得する。
 <B類学生>
  ・道徳教育における新たな指導内容・方法の研究開発を行い、具体的な授業づくりとその試行実践を行うことで、行った実践の分析から開発した教材や指導法の評価ができる。
  ・グループワークにおいて指導的な役割を果たし、授業研究の推進方法を習得する。

3.
成績評価の方法および基準

 レポート80%、授業中の発表・協議への態度20%。

4.
教科書・参考書

 テキスト:
  特定のテキストは使用しない。
 参考書:
  高橋勝編著『道徳教育論』培風館、2012年
    同  『子ども・若者の自己形成空間』東信堂、2011年
  永野重史編著『道徳性の発達と教育 ―― コールバーグ理論の展開』新曜社、1986年
  文部科学省『小学校学習指導要領解説 道徳編』東洋館、2008年

5.
準備学修の内容

 子どもの心の教育に役立ちそうな書物や新聞記事、映画や写真、絵画や詩歌などに興味をもち、積極的に調べたり触れたりすること。また、日頃見かける子どもの言動にも興味をもち観察すること。

6.
その他履修上の注意事項

 学習の主体者は子どもである。本来よりよく生きたい、学びたいと思っている子どもたちと共に、この世に生を受けたことを喜び合える道徳教育をどのように設計していったらよいのか、実践的に追究していきましょう。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 道徳教育における授業づくり研究の基礎①(講義)
 授業づくりの基礎となる子ども理解と道徳性の発達について理論的に考えを深める。
【第2回】
 道徳教育における授業づくり研究の基礎②(他者の人格を尊重し、相互的に関わり合う道徳的思考の深まりについて、理論的、実践的に考えを深める。
【第3回】
 道徳教育における授業づくり研究の基礎③(講義、グループワーク)
 学級づくりと道徳教育の「全体計画」、「年間指導計画」「学級における指導計画」の作成の手順を知り、作成を行う。
【第4回】
 道徳教育における授業づくり研究の基礎④(グループワーク、演習)
 第3回の内容を受けて、実際に作成した道徳教育の「全体計画」、「年間指導計画」「学級における指導計画」を吟味すると共に、各自が大切に育てたい子どもの思考を明確にしながら、計画の「重点化」を図る。
【第5回】
 道徳教育における授業づくりの展開①(グループワーク)
 映像等の授業記録から、実際の授業ではどのような目標に基づいて学習指導が展開され、子どもの心を育てようとしているのか、各自が書き起こした授業記録を元に分析する。
 A類学生は、教員に授業記録の取り方及び分析の視点と方法の指導を受けつつ分析を行う。
 B類学生は、授業記録の分析の視点と方法にも着目した共同討議を通して分析を行う。
【第6回】
 道徳教育における授業づくりの展開②(グループワーク)
 第5回で行った授業記録の分析をもとに各グループで討議する。授業全体の流れだけでなく、教師の資料提示や基本発問、切り返しの発問に対する子どもの反応を細かく分析し、実際の授業が子どものどのような心を育てることに結びついているのかを検討しまとめる。
【第7回】
 道徳教育における授業づくりの展開③(演習)
 第6回で各グループ毎に作成した授業分析のまとめを全体で発表し合い、分析の視点や授業評価の是非について討議し合うと共に、より効果的な授業の在り方について検討する。
【第8回】
 道徳教育における授業づくりと評価①(演習)
 実際に自分が行う授業設計を行う。子どもの学年や実態、授業を行う時期などを想定し、ねらい、資料、指導法、展開を考え計画する。
 A類学生は、原則として既存の資料をもとに授業計画を立てる。
 B類学生は、原則として資料を自作し授業計画を立てる。
【第9回】
 道徳教育における授業づくりと評価②(A・B類混成グループによるグループワーク)
 第8回で作成した学習指導案や自作資料の検討をA・B類学生混成の小グループで行い、修正する。
【第10回】
 道徳教育における授業づくりと評価③(A・B類別グループによるグループワーク)
 A・B類別にグループを編成し、第9回での資料及び指導案検討をもとに各グループの代表者を選出、模擬授業に向けての検討や準備を行う。
【第11回】
 道徳教育における授業づくりと評価④(A類学生代表による模擬授業)
 第10回の検討会を受け、A類学生代表による模擬授業を行う。授業後協議会を通して授業評価を行うと共に修正指導案を作成する。
【第12回】
 道徳教育における授業づくりと評価⑤(B類学生代表による模擬授業)
 第10回の検討会を受け、B類学生代表による模擬授業を行う。授業後協議会を通して授業評価を行うと共に修正指導案を作成する。
【第13回】
 道徳教育における授業づくりと評価⑥(演習)
 子どもの心の成長や道徳性の発達をどのように把握し評価するか、またその結果を実際の指導にどのように生かしていくのか考察し検討する。
【第14回】
 道徳教育における指導方法と意義①(グループワーク・プレゼンテーション)
 これまでに学んだことを元に、心の教育の授業づくりにおける指導・学習活動の意義と子どもの学びについてプレゼンテーションを行い検討する。
【第15回】
 道徳教育における指導方法と意義②(プレゼンテーション)
 第14回に同じ。各自成果をまとめる。