Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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生と死と家族 草野 いづみ
選択必修  2単位
【教育文化】 17-1-1333-0184-06

1. 授業の概要(ねらい)

 この授業には二つの主題がある。一つは「生と性」であり、次に「家族とケア(世話)」である。人間は生まれてから死ぬまで性的な存在として人間関係を築き、次世代を生み育てていく。生きることと性(セクシュアリティ)について自分と他者、そして社会との関係をどのように位置づけ、考えていったらよいのだろうか。さらに、そうした意味において「性教育」とは何かを考えていきたい。また、人間は乳幼児期から自立するまで、親をはじめとする周囲の大人の世話を受けて育ち、成年期には子どもや高齢者をケアする側となり、高齢になると再びケアを受ける側となる。この「ケア=世話」による「いのちのつながり」は主に家族を通して実現される。家族にとってのケア(世話)とは何か。その理論と実際について多角的に検討していく。

2.
授業の到達目標

 授業の主題に関連するさまざまなトピックを知り、理解を深めるとともに、いわゆる「性教育」や「いのちの教育」の理論と実践について学び、討論することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 授業への参加態度(ディスカッション等)。課題レポートなど。

4.
教科書・参考書

 『みんなで考える家族・家庭支援論』(同文書院)。
 必要な資料を配布し、参考文献を紹介する。

5.
準備学修の内容

 関連する文献や新聞、放送などのメディアによる情報にアンテナを張り、収集する。

6.
その他履修上の注意事項

 受け身でなく積極的に参加する。必要な情報を主体的に収集し、柔軟に思考し、ディスカッションを通じて多角的に検討していく。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション:授業の進め方や参考文献等の説明
【第2回】
 家族とは:意識と実際
【第3回】
 セクシュアリティとジェンダーの発達
【第4回】
 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ①
 多様なセクシュアリティ:性的マイノリティと人権
【第5回】
 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ②
 産む・産まない・産めない:人工妊娠中絶を考える
【第6回】
 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ③
 人口政策と優生思想
【第7回】
 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ④
 性感染症・HIVエイズ
【第8回】
 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ⑤
 生殖医療とカップル
【第9回】
 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ⑥
 自己決定権と社会
【第10回】
 性教育とはなにか①データを読む
【第11回】
 性教育とはなにか②小中高の授業実践から
【第12回】
 性教育とはなにか③性的リスク対処について
【第13回】
 いのちをつなぐ「世話(ケア)」①
 乳幼児と家族・養育者
【第14回】
 いのちをつなぐ「世話(ケア)」②
 高齢者と家族
【第15回】
 いのちをつなぐ「世話(ケア)」③
 看取りと尊厳