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授業の概要(ねらい) |
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絵画的、造形的な表現に限らず、小さな子どもたちは息を吸うように外界を取り込み、自分の思いやイメージを表現しながら成長します。表現を抑圧されることは息苦しく、表現を拒否されることは自分を否定されるのと同じくらいに悲しいことです。「はじめての集団生活において、子どもの表現の育ちをいかに支えるか」という課題に向き合い、誰もが表現を楽しめるように援助を探究することは、保育者の専門性と不可欠なものです。造形表現について深く学ぶことは、その専門性を高めることにつながります。 図画工作科概論では、幼児期の子どもたちの糧となり表現を支える手だてとなる「造形表現」について理解する為に“何を学ぶのか・なぜ学ぶのか・どのように学ぶのか”を明確にしたいと考えました。実際に乳幼児の作品を鑑賞しつつ、すべての子どもたちが表現を楽しむための“指導法”について学びます。受講者自身の表現力や自由な発想、感受性を養うことを目指します。
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2. |
授業の到達目標 |
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保育者自身が、描くこと作ることの楽しさを体験できるように毎回、描画工作の実習を行い、表現力(デザイン性と機能性)、発想力(独創性)を高めていく。又、作品鑑賞をとおして自分とは異なる表現から学び、子どもの美術表現活動の導入、展開、評価などを学修する。
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成績評価の方法および基準 |
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5回以上の欠席は単位を取得できません。 1.実技作品(技術・創意工夫) 60% 2.提出物 20% 3.授業態度 20%
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教科書・参考書 |
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『幼稚園教育要領』 講義の際、資料を配布する。 『保育をひらく造形表現』 槇 英子著 萌文書林(参考書)
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準備学修の内容 |
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・展覧会(子どもの作品展・好きなアーティスト)を観賞する。研究会、ワークショプへの参加(レポート提出) ・普段から、手作りでプレゼントを作ったりカードを書いたりする。 ・子どもたちと遊んだり、描いたり作ったりする機会があれば積極的に参加する。
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その他履修上の注意事項 |
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・18色以上の色鉛筆とBの鉛筆を持参すること。 ・古新聞1日分を提出すること。 ・15回の授業で、15個の作品を仕上げる予定です。履修される皆さんは出来るだけ主体的・積極的に行動(制作・後片付け等)して、事前に指示するので、忘れ物がないようにして下さい。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 造形表現の意義 保育園、幼稚園の看板 | 【第2回】 | 造形表現の発達論・(1~3歳) クラスの表札 | 【第3回】 | 造形表現の発達論・(4歳児) 運動会のポスター | 【第4回】 | 造形表現の発達論・(5歳児) 屋内のあそび | 【第5回】 | 子どもの描画の特徴とその背景 紙工作--まわして遊ぶ | 【第6回】 | 発達に応じた援助 色彩の構成 | 【第7回】 | 発達過程に見られる個人差 色をつくる | 【第8回】 | 各々の絵の目的(観察の絵) 抽象的な表現 | 【第9回】 | 各々の絵の目的(くらしの絵) スパッタリング | 【第10回】 | 各々の絵の目的(物語りの絵・想像の絵) 折り染 | 【第11回】 | 保育者の役割り うちわ作り | 【第12回】 | 表現の動機づけと意欲 物語りの絵(下絵づくり) | 【第13回】 | 直接的な援助と間接的な援助 物語りの絵(水彩画) | 【第14回】 | 指導形態 紙粘土 | 【第15回】 | つくる体験を豊かにする 万華鏡 |
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