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授業の概要(ねらい) |
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算数科の学習指導を展開するためには、これまでの算数や数学を学ぶ立場からの算数・数学観に、算数を教える立場からの算数観を加え、算数の学び手と教え手の双方向からの視点で算数とかかわることが必要になる。まず、このことのパラダイム転換を具体的な事例を取り上げて行う。 次いで、算数科で取り上げる教育内容を的確に理解するため、高等学校で学ぶ必修科目「数学Ⅰ」までを視野に入れて必要な数学的素養を身に付け、将来、算数科で取り上げる教材の研究や授業における学習指導の工夫を支えることができるようにする。このため、数と式の計算、方程式と不等式、図形の性質の発見と証明、二次関数、データの活用などを取り上げる。併せて、算数科で取り上げる具体的な問題解決を通して、その背景にひそむ数学を顕在化する。
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2. |
授業の到達目標 |
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(公財)日本数学検定協会「実用数学技能検定」準2級レベルの数学力を身につける。そして、それらと算数科で取り上げる内容の関係を理解している。具体的には以下の通り。 ①数と式の計算力を身に付け、二元一次方程式や一元二次方程式を解くことやその意味を理解たり、平面図形や空間図形について性質を見出し証明したり、比例、一次関数、二次関数の意味を理解したり、データの活用について理解し、算数科で取り上げる内容との関連がわかる。 ②これまでの算数・数学を学ぶ立場を算数・数学を教える立場から見直し、算数・数学との新たなかかわり方について理解する。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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授業中の小テスト(簡単な問題の解決)、レポート(数回)、試験を総合して評価する。おおむね、小テスト30%、レポート30%、試験40%で評価する。(財)日本数学検定協会「実用数学技能検定」準2級以上の合格者は成績で配慮する。
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4. |
教科書・参考書 |
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『小学校学習指導要領解説算数編』(文部科学省、2008)。『小学校学習指導要領』(文部科学省、2017)。((財)日本数学検定協会『実用数学技能検定』問題を利用する。その他の参考文献は適宜紹介する。
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準備学修の内容 |
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学習したことを深め、拡げること。
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その他履修上の注意事項 |
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次のことに関心を持ち、積極的にかかわることのできる学生を歓迎する。 ① 子どもたちの算数の主体的な学びを導くこと ② 数学の素養を身に付けること
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | オリエンテーション、「実用数学技能検定」3級一次計算技能検定問題に挑戦 | 【第2回】 | 「実用数学技能検定」準2級一次計算技能検定問題に挑戦 | 【第3回】 | 算数科の教科書にある問題に挑戦(1)鶴亀算 | 【第4回】 | 基礎的な計算技能の習熟とその仕組みの理解(1)数と式の計算 | 【第5回】 | 基礎的な計算技能の習熟とその仕組みの理解(2)各種方程式とその解法 | 【第6回】 | 算数科の教科書にある問題に挑戦(2)ともなって変わる数量の関係 | 【第7回】 | 基礎的な計算技能の習熟とその仕組みの理解(3)各種関数の理解 | 【第8回】 | 基礎的な計算技能の習熟とその仕組みの理解(4)図形の性質とその利用 | 【第9回】 | 算数科の教科書にある問題に挑戦(3)図形の性質 | 【第10回】 | 「実用数学技能検定」3級二次数理技能検定問題に挑戦」 | 【第11回】 | 「実用数学技能検定」準2級二次数理技能検定問題に挑戦」 | 【第12回】 | 数学の活用による事象の考察(1)各種方程式の利用 | 【第13回】 | 数学の活用による事象の考察(2)各種関数の利用 | 【第14回】 | 数学の活用による事象の考察(3)図形の性質の利用 | 【第15回】 | 算数・数学との新たなかかわり方(まとめとテスト) |
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