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授業の概要(ねらい) |
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現在、日本の多文化・多言語社会を構成しているエスニック集団の一つとして日系人(日系移民)の存在があります。日本の産業社会は彼らの存在を無くして成り立たない状況にありながら、地域社会や学校において十分な理解がなく問題を抱えていることも少なくありません。また日本語を学習している人々の中には、日系人児童生徒が多くいます。教師が日系人の歴史や経験を理解することで、彼らの日本語学習支援への姿勢も変わります。 授業では、ハワイでの事例を主に、グローバル時代に先駆けて海を渡った日本人移民、日系人が経て来た歴史を通して、移住先での困難や貢献、戦中戦後の日系社会の様子を学びます。そして、日本にルーツをもつ日系二世三世が、日本にUターン移民として戻り、日本社会で直面している現在の様子について学びます。
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2. |
授業の到達目標 |
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・日本人が海外に移住をした歴史的背景を理解する。 ・日本人・日系人が戦中戦後にどのような経験をしたのか理解する。 ・現在の多文化社会日本の中で、日系人がどのようなことに直面しているのか理解する。 これらを通して、多文化・多言語社会日本に関連して、「グローバリズムと人の移動」について広く考ることができることを目指します。
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成績評価の方法および基準 |
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通常点(授業におけるコメントカード記述、取り組み)40%、テスト60%
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教科書・参考書 |
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テキスト『入門 ハワイ・真珠湾の記憶-もうひとつのハワイガイド-』 明石書店 参考文献『日系移民学習の理論と実践』 明石書店
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準備学修の内容 |
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授業時間外に、移民に関する博物館および資料館へネットアクセスをして資料・情報を得ることを数回求める予定です。
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その他履修上の注意事項 |
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参加型の学習を求めることがあります。知らない学生同士でも協力的な姿勢で課題に取り組み、交流を図る能力を求めます。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 多文化・多言語社会日本と日系人 | 【第2回】 | 日系人とはどのような人々か | 【第3回】 | 近代社会黎明期に海を渡ったハワイ移民(元年者他) | 【第4回】 | ハワイのプランテーションでの経験 (文化変容と文化保持) | 【第5回】 | ハワイから北米大陸へひろがる日系移民の波と、偏見への直面。 | 【第6回】 | 南米大陸で増える日系人口と苦難。 | 【第7回】 | 戦争中の葛藤と人権問題にはどのようなことがあったのか。 | 【第8回】 | 戦後の日系人がどのように過ごしたのか、日系人社会を発展させたのか。 | 【第9回】 | 現在の日本社会での様子(集住する街)と社会的課題 | 【第10回】 | 現在の日本社会での様子 (教育問題・日本語を学ぶ日系人の子ども) | 【第11回】 | 教科書に描かれる日系人についての論考 | 【第12回】 | 移民カルタ・紙芝居から学ぶ教材開発の視点。 | 【第13回】 | インタビュー記録から考える | 【第14回】 | グローバリズムと人の移動 | 【第15回】 | ふりかえりとテスト |
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