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授業の概要(ねらい) |
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今日、共生社会の形成が求められており、我が国でもその実現に向けて関係法令・諸制度等の改定・改善が進められ、障害者の権利条約が批准された。教育の分野においても、特殊教育から特別支援教育への移行を経て、さらなる共生社会の実現をめざした「インクルーシブ教育」への発展がなされようとしている。今後教師を目指す者に対して、一層の視野を拡げるためにも障害者の社会生活を直視し、その諸問題を明らかにしながら、共生社会のあるべき姿を考える必要がある。 そこで、本授業では障害者の社会生活における医療・福祉・労働・社会生活等における今日的な諸問題を明らかにし、諸制度等の基本的な考え方を押さえながら、望ましい共生社会の実現に向けた方向を探る。併せて、学校教育は今後どのようにこの問題と関わるべきかについても検討を進める。 【共生社会】共生社会とは、これまで必ずしも十分に社会参加できるような環境になかった障害者等が、積極的に参加・貢献していくことができる社会である。それは誰もが相互に人格と個性を尊重し支えあい、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会である。
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2. |
授業の到達目標 |
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障害者を巡る考え方の変化や今日的課題を理解する。 誤解や偏見をただし、障害者の社会参加についてともに考える。 障害者と人権、子どもと人権の在り方について理解する。 学校教育の今後の在り方について展望する。
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成績評価の方法および基準 |
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ポートフォリオ、授業内試験(第15回)及び授業参加態度(発言内容・発表内容等)、課題レポートなどを通じて総合的に判断する。
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教科書・参考書 |
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特定のテキストは使用せず、その都度必要なプリント等を配布する。 参考文献等はその都度内容に沿って紹介する。
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準備学修の内容 |
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様々な文献や思想書、あるいは障害者を扱った小説などから、その時代背景の中で障害者がどう扱われ、あるいはどのように尊重されてきたかを学んで欲しい。
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その他履修上の注意事項 |
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障害者を巡る諸問題に目を向け、日常のニュース・新聞等から機会あるごとに課題意識を持って学んで欲しい。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | オリエンテーション、この授業のめざすもの。人権についての基本事項。 | 【第2回】 | 障害者の処遇の歴史、世相に現れる障害者達 | 【第3回】 | 障害と医学の関係 | 【第4回】 | 障害と教育(世界の歴史) インクルージョン | 【第5回】 | 障害と教育(日本の歴史) 特殊教育から特別支援教育、さらにインクルーシブ教育へ | 【第6回】 | 障害者と福祉、様々な制度と課題(外部講師:帝京大学経理グループ 橋本 健太郎) | 【第7回】 | 障害者と雇用、社会参加の現状と課題 | 【第8回】 | 障害者の社会生活① バリアフリーとユニバーサルデザイン | 【第9回】 | 障害者の社会生活② 優遇措置と欠格事項 | 【第10回】 | 障害者の社会生活③ 様々な支援制度、分離か共生か | 【第11回】 | 障害者と犯罪 様々な事例 | 【第12回】 | 障害者と薬物 薬物中毒、アレルギーなど | 【第13回】 | 障害者と事故、戦争 | 【第14回】 | 障害者と人権(外部講師:日本障害者センター事務局次長 家平 悟) | 【第15回】 | まとめ及び授業内試験 |
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