Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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手話コミュニケーション入門 I 根本 友己
選択  2単位
【自己啓発】 17-1-1333-3773-03

1. 授業の概要(ねらい)

 聴覚障害者の言語である手話は現在はさまざまな場面で目に触れる様になってきている。テレビドラマや映画でも多く取り上げられ、政見放送などでの手話通訳の役割も目にするようになってきた。手話の表現に触れ、その表現の豊かさに魅力を感じる人も多く、各地で手話サークルの活動は盛んになっており、手話を学ぶテレビ番組も継続して放映されている。
 手話を学んで聴覚障害者の方々との交流を図ることは今後の共生社会を担うものの一つの役割でもある。手話を学ぶことは自分を拓いて表現し、相手に寄り添い理解することが必要となる。そしてそれは手話を活用する力だけでなく、今後さまざまな場面で必要となるコミュニケーションの能力そのものを高めることになる。
 この授業では、手話の入門学習として、手話にて日常の簡単な会話ができるようにビデオ教材等を多彩に使い、初歩の手話技能を身につけるようにしていく。
 また手話を通して、聴覚障害者の種々の社会的問題にも触れて、聴覚障害者への理解が進み、本学に在学する聴覚障害学生への支援に加われるようにしていきたい。

2.
授業の到達目標

 ①聴覚障害者の表現する簡単な手話が理解でき、挨拶、自己紹介など簡単な日常会話を手話で話せるようになる。
 ②手話を通して聴覚障害そのものや、その教育の実際についても理解を得る。
 ③社会に生きる聴覚障害者の暮らしを知り、理解を持つことで共生意識を持て支援に係ろうとすることができる。

3.
成績評価の方法および基準

 学習内容の評価配分は手話技能70%、聴覚障害理解30%とし、評価する方法として、講義の区切りに行うミニテスト20%、レポート20%、期末テスト60%の割合で評価する。
 出席10回未満の者は単位認定しない。やむをえない事情以外は遅刻、早退を認めない(出席に数えない。)

4.
教科書・参考書

 テキスト…『手話を学ぼう、手話で話そう』(全国手話研修センター)、前半の入門編を使用する。
 随時配布プリント
 参考文献…手話関連本(授業時に紹介)

5.
準備学修の内容

 ①予習としてあらかじめテキストを読んでおくこと。テキストに付属のDVDを視聴しておくこと。
 ②授業で習った手話表現をビデオ等をみて、再現できるように復習すること。
 ③テレビでの手話ニュースや聴覚障害や手話についての番組を積極的に視聴すること。

6.
その他履修上の注意事項

 これまで手話を学んだことのない学生を対象としている。初級以上になりたいと考えるものは続けて手話コミュニケーション入門Ⅱを学んで、その後は応用へと進んでほしい。今回のテキストは入門編と基礎編(応用)を合わせたものであり、こうした履修をするうえで利便性がある。ぜひ、永く活用してほしい。
 また、手話の表現を見なければ学習が成立しないので、視線を講師やスライドに集中させることができないもの、私語をするものは授業に参加することを認めないこともある。校内で聴覚障害学生に触れあう機会を作り、ノートテイクなどの支援活動にも加わってもらいたい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 この科目のオリエンテーション、および(実技)伝えあうこと、指文字 (講義)コミュニケーションとは
【第2回】
 (実技)自己紹介1(名前等) (講義)大学における聴覚障害学生とその支援
【第3回】
 (実技)自己紹介2(家族、出身等) (講義)聴覚障害者の生活1
【第4回】
 (実技)自己紹介3(趣味) (講義)聴覚障害者の生活2
【第5回】
 (実技)自己紹介4(数字を使う) (講義)聴覚障害者の生活3
【第6回】
 (実技)自己紹介5(仕事のこと) (講義)聴覚障害の基礎知識1
【第7回】
 (実技)自己紹介6(自分の家の場所) (講義)聴覚障害の基礎知識2
【第8回】
 (実技)1日の生活 時間の表し方 (講義)手話の基礎知識1
【第9回】
 (実技)1週間、1か月の生活、予定、時の経過 (講義)手話の基礎知識2
【第10回】
 (実技)1年の生活 季節、行事の表し方 (講義)乳幼児の聴覚障害
【第11回】
 (実技)新年会の計画、明日の予定を話しあう等 (講義)言語獲得と教育指導
【第12回】
 (実技)旅行について話す等 (講義)聴覚障害者のための学校1
【第13回】
 (実技)健康、身体の状態の会話等 (講義)聴覚障害者のための学校2
【第14回】
 (実技)尋ねる、質問をする。 (講義)手話を使った表現活動や手話歌について
【第15回】
 まとめ、最終テスト