1. |
授業の概要(ねらい) |
|
この講義ではいわゆる質的データをめぐり、フィールドワークにもとづく3種類のデータ収集技法と、性質を異にする2種類の分析技法を修得することを目的とする。前者はインタビュー・参与観察(&筆記記録)・ビデオカメラによる録画であり、後者はグラウンデッド・セオリー・アプローチ及びエスノメソドロジーである。授業はグループでの実習を中心とする。授業序盤でデータの収集・分析技法について概観したあと、各グループには関心にそったフィールドへと赴きそこでデータ収集作業を実体験してもらう。その後は担当教員によるスーパーバイズを受けながら分析の作業を行い、最終的に個人でレポートを執筆する。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
①フィールドワークに基づく質的データの収集・分析技法について基礎的な知識を身につけている。 ②①に基づきながら、実際にみずからデータを収集し・分析することができる。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
・グループワークの成果物:40% ・最終レポート:60%
|
4. |
教科書・参考書 |
|
【テキスト】 特に指定しない。毎回の講義でレジュメや資料を配布する。 【参考文献】 ・前田泰樹・水川喜文・岡田光弘編、2007、『ワードマップ エスノメソドロジー――人びとの実践から学ぶ』新曜社。 ・戈木クレイグヒル滋子、2016、『ワードマップ グラウンデッド・セオリー・アプローチ改訂版――理論を生みだすまで』新曜社。 ※そのほかの参考文献は授業内で提示する。
|
5. |
準備学修の内容 |
|
・毎回の講義内容はたがいに関連しあっており、すでに講義した内容を前提にそれ以降の講義が行われる。受講者は前回の講義で配布された資料を読み込み・復習したうえで次回の講義に臨むこと。 ・あらかじめ資料や文献を配布し、その読解を宿題とすることがある。その場合にはただ機械的に読むのではなく、そこから自分なりの意見を引き出すような読みを行うこと。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
この授業はグループワーク主体の授業であるため、学生たちの積極的な参加が何より重要となる。受講者には、グループワーク時にひとに任せずみずから積極的に意見を表明する態度を求める。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | 質的研究とは何か――質的データの収集・分析技法の概観 | 【第2回】 | フィールド調査の留意点――フィールドエントリー・関係性の構築・インフォームドコンセント | 【第3回】 | インタビューの技法――効果的な聴き取りへ向けて | 【第4回】 | 参与観察の技法――フィールドノート作成のポイント | 【第5回】 | 撮影の技法――ビデオカメラで何を・どう記録するか | 【第6回】 | グラウンデッド・セオリー・アプローチの分析ロジック | 【第7回】 | エスノメソドロジーの分析ロジック | 【第8回】 | 研究事例の検討①――グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた研究の解説 | 【第9回】 | 研究事例の検討②――インタビューデータ&フィールドノートを用いたエスノメソドロジー研究の解説 | 【第10回】 | 研究事例の検討③――ビデオデータを用いたエスノメソドロジー研究の解説 | 【第11回】 | 分析実習①――グラウンデッド・セオリー・アプローチ | 【第12回】 | 分析実習②――インタビューデータのエスノメソドロジー | 【第13回】 | 分析実習③――フィールドノートのエスノメソドロジー | 【第14回】 | 分析実習④――ビデオデータの会話分析/相互行為分析 | 【第15回】 | まとめ――最終レポート執筆への準備 |
|