Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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チームで取り組む生徒指導とネットワークづくり 和田  孝
選択  2単位
【教職大学院】 17-1-1334-1761-01

1. 授業の概要(ねらい)

 授業は、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 生徒指導の目標達成、問題解決に取り組む教職員と学校の生徒指導力を高めるため、学校における生徒指導組織と教職員の協働の実態を調査して課題を把握する。課題解決に向けて、学校の教職員及び家庭・地域の連携・協働に必要な知識・技能を習得する。
 更に、生徒指導の課題達成・問題解決におけるチームワークとネットワークの必要性について学び、認識を深める。関係諸機関を訪問してそれぞれの役割や教育支援の働きを理解し、連携の可能性や在り方を検討して学校を中心とした生徒指導ネットワーク図として整理する。更に、自己の課題に即して、連携・協働による生徒指導上の問題解決への具体的な取り組みの計画案を作成する。

2.
授業の到達目標

 <A類学生>
  ・児童生徒の指導・援助に当たって、生徒指導組織を生かした協働、チームワークのあり方を理解し説明できる。
  ・学校外部の生徒指導関係諸機関について、理解するとともに関係機関を選択するために協議できる。
  ・チームワークとネットワークで生徒指導を推進するために、必要な知識・能力を身につける。
 <B類学生>
  ・学校の生徒指導を分析的・総合的に診断・評価し、生徒指導組織における問題点と実践的課題を、具体的に指摘することができる。
  ・生徒指導体制の確立のために、リーダーシップを発揮して、教職員の組織化と協働を推進できる。
  ・学校外部の関係諸機関についての知識・理解を深め、問題解決に取り組むサポートチームや協力体制をコーディネイトできる。

3.
成績評価の方法および基準

 調査研究・実践研究の作品・レポート、プレゼンテーション80%、授業への参加・活動状況20%。

4.
教科書・参考書

 テキスト:使用しない。
 参 考 書:学校と関係機関との行動連携に関する研究会『学校と関係機関等との行動連携を一層推進するために』(2004)
      ほか

5.
準備学修の内容

 実習校における生徒指導の実態や指導体制等について、資料の収集や観察・記録を行い、授業において情報提供や事例報告などができるようにしておくこと。

6.
その他履修上の注意事項

 実習校や所属校における生徒指導に常に関心を持ち、その課題解決の方策について考察や提案等ができるように努めること。
 生徒指導における専門的知識や理論を身につけ、スクールリーダーとして、教員の共通理解や組織的な対応ができることを目標に、課題意識をもった積極的な授業への参加に努めること。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション
 科目のねらいと授業計画、到達目標と自己課題の設定 授業内容にかかわる問題意識と経験の交流
【第2回】
 生徒指導上の課題と教職員、学校の取り組み
 連携協力校や勤務校における生徒指導上の課題への取り組みを見つめ、学校における生徒指導体制、教職員の生徒指導力、学校としての生徒指導力について分析・考察し、改善すべき点や充実すべき点を整理する。
【第3回】
 これからの生徒指導に求められる連携・協力
 今日、学校における生徒指導にどのような取り組みが求められているのか、参考となる研究知見・提言を読んで、これからの学校内外の連携・協力のあり方について認識する。
【第4回】
 学校教職員の組織化と協働-生徒指導における組織化と協働の意義と必要性
 事例の分析を通して、生徒指導におけるマネージメントやリーダーシップ、メンバーシップの発現など協働の重要性への認識を深め、教職員の役割やや専門性を活かす生徒指導体制の在り方を追究する。
【第5回】
 生徒指導における保護者との協働
 保護者との情報の共有、意思疎通を図るコミュニケーション、面談の技法をロールプレイングを通して身につける。また、生徒指導方針や指導基準の効果的な説明、PTA活動と保護者の組織化等、協働の進め方を探る。
【第6回】
 生徒指導における地域住民との連携・協働
 校区の自治会、商工会、同窓会などの組織とその活動、児童生徒の遊び場や施設等、地域での生活環境と人々とのかかわりについて調査し、協働の在り方を探る。学校と地域相互の情報提供、情報交換の仕方を探る。
【第7回】
 生徒指導における他学校間との連携・協働
 児童の出身幼稚園や保育所、小・中学校等を訪問して幼児・児童・生徒の実態を観察し、生徒指導方針、組織、教育活動等についての情報交換、支援チームの編成、合同研究会の開催等、連携・協働の在り方を探る。
【第8回】
 関係諸機関、専門家との連携・協働①
 フィールドワークの事前学習として、学校の生徒指導にかかわりがある組織や機関について概観し、その中から関係機関の情報・資料を収集し、調査報告する。
【第9回】
 関係諸機関、専門家との連携・協働②(フィールドワーク)
 関係諸機関、専門家との情報連携、行動連携を推進するため、一般の学校以外の教育機関、児童福祉、医療、司法等の専門機関から、3箇所を選んで訪問調査を行い、学校との連携、協働の在り方を探る。
【第10回】
 関係諸機関、専門家との連携・協働③(フィールドワーク)
【第11回】
 関係諸機関、専門家との連携・協働④(フィールドワーク)
【第12回】
 関係諸機関、専門家との連携・協働⑤
 関係諸機関の訪問調査の結果を報告し、学校教育の視点から、連携の必要性や可能性、チームワーク、ネットワーク推進上の課題や留意点等について協議し、整理する。
【第13回】
 関係諸機関、専門家との連携・協働⑥
 関係諸機関の訪問調査から得られた情報に基づいて、連携協力校または勤務校の場合を想定して、生徒指導上の課題解決、問題行動への対応のため、学校を中心とする生徒指導ネットワーク図を作成する。
【第14回】
 生徒指導におけるチームワーク、ネットワークの実施計画①
 ・A類学生は、生徒指導に当たって、生徒指導組織や保護者の理解、協力について学級担任としてのチームワーク、ネットワークの実施計画を作成する。
 ・B類学生は、勤務校等でのネットワークを活かした支援チームの編成・活動を想定し実施計画を作成する。
【第15回】
 生徒指導におけるチームワーク、ネットワークの実施計画②
 作成したチームワーク、ネットワーク実施案をより実践的な計画にするようプレゼンテーションを行い、研究協議する。