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授業の概要(ねらい) |
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「感受性」および「美的=感性的(エスセティク)なもの」という言葉をキーワードとして、西洋の文学・文化に触れることを目的とします。春期の講義ではロマン派詩人P・B・シェリーの詩論『詩の擁護』(1821)を通じて、彼が親しんだ古典古代から19世紀前半までの代表的な西洋文学を俯瞰することを試みます。詩的なもの、あるいは美的=感性的なもの(美感的なもの)とは何かというシェリーの問いかけを追体験することによって、西洋文学のなかにある感性をめぐる思想を探求します。
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2. |
授業の到達目標 |
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・20世紀以降の学問的見地からだけではなく、19世紀前半のヨーロッパを生きた詩人シェリーのまなざしを通じてヨーロッパ文学・文化の歴史をみてゆくことで、その歴史的な流れを重層的・多角的にとらえることを目指します。 ・「感性」をめぐるさまざまな文学的な描写や表現に触れることで、まさに自分の感じた事柄を言語によって表現する力を養うことも目標とします。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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講義への積極的な参加(出席・感想カード含む)40%、定期試験60%
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4. |
教科書・参考書 |
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テキスト:毎回資料(ハンドアウト)を配布します。 参考文献:上田和夫訳『シェリー詩集』(新潮文庫、2007年、改版)。 アルヴィ宮本なほ子編『対訳シェリー詩集』(岩波文庫、2013年)。 佐々木健一『日本的感性』(中公新書、2010年)。 その他は講義のなかで適宜指示します。
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5. |
準備学修の内容 |
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テキスト、参考文献および配布した資料をよく読み、講義内容をより深く理解しておくことを望みます。
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その他履修上の注意事項 |
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各国の文学に興味のある学生の参加を歓迎します。また、授業への積極的な参加・発言を望みます。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | イントロダクション | 【第2回】 | シェリーのまなざしを通じたヘレニズムとヘブライズム | 【第3回】 | シェリーとプラトン――美と愛(エロス)の概念について | 【第4回】 | シェリーとローマの詩人――ウェルギリウスとオウィディウスを中心に | 【第5回】 | 「永遠の女性」をめぐって――ダンテとシェリー | 【第6回】 | ネオ・プラトニズムの神学とシェリーの美学 | 【第7回】 | シェイクスピアを読むシェリー | 【第8回】 | 中間まとめ | 【第9回】 | 絶対者への挑戦――ミルトンの『失楽園』とシェリーの『鎖を解かれたプロメテウス』 | 【第10回】 | 18世紀の道徳哲学――趣味(テイスト)の概念と美的=感性的(エスセティク)なもの | 【第11回】 | 感受性の人――シェリーの導き手としてのルソー | 【第12回】 | 感受性の時代と前=ロマン主義 | 【第13回】 | ロマン主義の時代(前半) | 【第14回】 | ロマン主義の時代(後半) | 【第15回】 | 全体のまとめ、筆記試験 ※状況に応じて順番や内容が変わる可能性もあります。 |
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