Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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地域社会と学習 居郷 至伸
選択必修  2単位
【教育文化】 17-1-1334-3767-10

1. 授業の概要(ねらい)

 この授業では、人々に有益な学習機会の提供を担う社会教育の役割について理解を深め、さまざまな担い手の実践事例の紹介を通して実践のあり方に対する検討を行う。
 学び続ける主体としての人間に寄与する社会教育計画とはどのようなものであろうか?学習の資源としての地域社会を有効に活用するための方策について考えるうえで、社会教育事業を通じて提供される学習機会のタイプ、学習主体の年齢層の違い、施設設置主体の多様性など、さまざまな事柄を把握しておくことは重要である。最近では、地域の課題やまちづくりを「ソーシャルデザイン」や「コミュニティデザイン」という手法を用いて地域住民が主体となって活発に展開し成功しているところも少なくない。そして、このような手法には、課題に携わる人々の積極的参加を促すさまざまな技法が取り入れられている。
 授業では、地域づくりやコミュニティ形成において用いられる技法についても適宜紹介していく。そして、地域社会に関する統計データや取組を紹介している映像や文献資料も交えて、社会教育計画における課題発見やアプローチの仕方など、地域社会と学習をめぐる要点を提示していく。

2.
授業の到達目標

 ・地域社会における社会教育の計画と立案に関する理論や方法について説明することができる。
 ・地域社会が抱える実際の問題について社会教育がいかなる役割を担っているかを把握することができる。
 ・社会教育事業に関する実践例から読み取れる意義と課題を的確につかむことができる。

3.
成績評価の方法および基準

 授業内での発言や取り組み方(20%)コメントシート・小レポートの内容(30%)期末テスト(50%)

4.
教科書・参考書

 テキストは用いないが、参考文献、資料は授業中に適宜提示する。

5.
準備学修の内容

 授業中に適宜指示する授業内容に関連したテーマに言及している新聞・雑誌記事等に予め目を通し、その内容の理解、論点となる箇所を把握しておくこと。また、受講人数や要望を考慮してグループワークを取り入れる場合は、授業時間外での事前準備、授業内容の復習、グループ構成メンバーとの打ち合わせが必要となる。

6.
その他履修上の注意事項

 社会教育をとりまく世の中のさまざまな動向を取り上げていくので、学校教育のみならず教育に関連する諸領域・分野について幅広い関心をもって受講してください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション
【第2回】
 社会教育・生涯学習の理論的、実践的特徴
【第3回】
 地域社会に設けられている学習機会についての理解
【第4回】
 地域のなかの社会教育事業における意義と課題
【第5回】
 地域社会の変容と社会教育の担い手
【第6回】
 多様な社会教育の担い手~非営利組織に注目して
【第7回】
 キャリア支援、学習支援と社会教育事業
【第8回】
 学校教育・家庭教育と社会教育~「教育」と「支援」
【第9回】
 社会教育施設の紹介~利用可能な資源の探索と連携とは
【第10回】
 地域社会のニーズの把握と社会調査データの検討
【第11回】
 地域社会が抱える問題の発見と解決に関する技法、実践例の紹介
【第12回】
 社会教育計画における理論と方法
【第13回】
 社会教育計画における理論と方法~グループワークと実践
【第14回】
 地域社会に求められる社会教育事業のあり方を考える
【第15回】
 授業総括