Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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欧米文化 II - II 室井 俊通
【Ⅲ】  2単位
【Ⅲ 歴史と文化を学ぶ】 17-1-1334-3849-02

1. 授業の概要(ねらい)

 近代以降、ヨーロッパの文化・技術は地球規模で決定的な影響を与えるようになった。しかし、他方では、ヨーロッパ人に他民族・他人種に対する優越意識もうまれた。それは「ヨーロッパ中心主義」として現在しばしば批判の的となっている。本講義もまた「ヨーロッパ中心主義」から解放された、地球上の諸文明に対して相対化されたヨーロッパ像を探求する。
 「ヨーロッパとは何か?」という問いを経糸に、古代から近世初期まで各時代の特徴ある文化を取り上げていく。扱う素材は様々だが、ヨーロッパ(文化)を構成するとされる3つの要素、すなわち〈グレコ=ローマン〉、〈キリスト教〉、〈ゲルマン・スラヴ〉といった要素がヨーロッパの個性形成にどのように働いていったかを考察する。

2.
授業の到達目標

 1.ヨーロッパ文化の構成要素が説明できるようにする。
 2.ヨーロッパの基底的文化を理解する。

3.
成績評価の方法および基準

 最後の授業時に筆記試験を行います。最終回に近い時期に試験の様態について解説をしますので、出席するようにしてください。

4.
教科書・参考書

 参考書として、『民族の世界史(8)ヨーロッパ文明の原型』(山川出版社)

5.
準備学修の内容

 いくつかのテーマ群になっていますから、関心に応じて紹介した文献に必ず当たるようにしてください。

6.
その他履修上の注意事項

 通史を行うものではありません。高校世界史の教科書や参考書を越えた、常に参照できる通史的な概説書などが手元にあるとよい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 講義に向けてのオリエンテーション。
【第2回】
 ヨーロッパの神話世界(1)…エウロペの略奪
【第3回】
 ヨーロッパの神話世界(2)…神話学瞥見
【第4回】
 『アエネーイス』…新トロイア=ローマの建国(1)
【第5回】
 『アエネーイス』…新トロイア=ローマの建国(2)
【第6回】
 『ガリア戦記』と『ゲルマーニア』…ケルト人とゲルマン人
【第7回】
 騎士ローラン、ロンスヴォー峠に死す…イスラームの触媒(1)
【第8回】
 騎士ローラン、ロンスヴォー峠に死す…イスラームの触媒(2)
【第9回】
 ヴァルターはドイツを歌う…国民の生成
【第10回】
 「ハーメルンの笛吹き男」…中世の社会史
【第11回】
 もう一つのヨーロッパ…スラブ世界(1)
【第12回】
 もう一つのヨーロッパ…スラブ世界(2)
【第13回】
 ダンテとシェークスピア…ルネサンスとは何か?(1)
【第14回】
 ダンテとシェークスピア…ルネサンスとは何か?(2)
【第15回】
 まとめと試験