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授業の概要(ねらい) |
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本講義は、西はトルコから東はアフガニスタンまで、北はカフカスから南はアラビア半島までの、いわゆる中東地域(エジプトも含む)を舞台に展開された、古代「西アジア文明」の概説です。今日にまで影響を与えている農耕・冶金術・文字システム・社会システムの基礎がこの地で生まれ、また世界宗教の幾つかがこの地で発祥しているにもかかわらず、その歴史は日本の歴史学の中では西洋史・東洋史の狭間に埋もれてしまい、十分に認識されて来ませんでした。「西アジア文明」の先進性をあらためて認識してもらうことを目的として、Ⅰでは主に、古代メソポタミア・エジプト・シリアの諸文明の成立・展開をたどりながら、イスラーム化以前の西アジアの歴史を概観します。
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2. |
授業の到達目標 |
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西アジア文明が達成した人類史上の重要な転換点について理解することを目標とします。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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平常点(2/3以上の出席)と、テスト2回分の成績を総合して評価します。評価は甘くありませんので、特に就職を控えた4年生は十分検討の上、受講してください。
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4. |
教科書・参考書 |
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テキストは使用せず、毎回の授業で配布するプリントの中で、随時参考文献を紹介します。 主な参考書:大貫他『世界の歴史①人類の起原と古代オリエント』中公文庫、2009年。
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準備学修の内容 |
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プリントで紹介された参考文献の該当箇所を熟読しておくこと。
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その他履修上の注意事項 |
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この分野にあまりなじみがない学生でも、強く関心のある者は歓迎します。できる限りわかりやすく説明するつもりです。但し、やる気も努力する気もなく、安易に単位だけ取ろうと思っている者は容赦なく落とすので、受講はご遠慮ください。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | ガイダンス・西アジア文明の舞台(授業内容の詳細はガイダンス時にお知らせする。) | 【第2回】 | 農耕のはじまり | 【第3回】 | 文字と史料(1)楔形文字の発展 | 【第4回】 | メソポタミア(1)ハンムラビ法典にみる正義と法 | 【第5回】 | メソポタミア(2)「悲観主義」の文学 | 【第6回】 | 文字と史料(2)エジプト文字各種とアルファベットの成立 | 【第7回】 | エジプト(1)ファラオの王権とピラミッドの変遷 | 【第8回】 | 前半の講義の補足、中間テスト | 【第9回】 | エジプト(2)エジプト王権理念の変化と教訓文学、『死者の書』 | 【第10回】 | 国際化の時代-アマルナ時代 | 【第11回】 | ヒッタイトとエジプトの抗争-カデシュの戦い | 【第12回】 | シリア・パレスチナの諸民族 | 【第13回】 | 新アッシリア-世界帝国の誕生 | 【第14回】 | 新バビロニアのシリア・パレスチナ進出と「バビロン捕囚」 | 【第15回】 | まとめとテスト。 |
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