Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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西洋史特殊講義1C- I 森谷 公俊
選択必修  2単位
【史】 17-1-1340-0538-07

1. 授業の概要(ねらい)

 アカイメネス朝ペルシアからアレクサンドロスの治世にいたるギリシア世界と西アジア世界を、一体のものとして理解することを目指す。春期はへロドトス『歴史』をテキストとし、アカイメネス朝の成立過程とその歴史的意義を明らかにする。
 へロドトスの作品は物語的で面白いが、多くの口頭伝承を含んでおり、そこから歴史的事実の核心を引き出すには、今日の研究に照らしてテキストを批判的に解釈することが不可欠である。古典作品を読むことの魅力を味わいながら、歴史学固有の作業である史料批判とはどういうものかを、実地に理解してもらいたい。

2.
授業の到達目標

 テキストの内容を正確に読み取り、適切に要約できること
 叙述の内容を現代の研究成果に照らして批判的に解釈できること

3.
成績評価の方法および基準

 中間試験40% 期末試験60%

4.
教科書・参考書

 へロドトス『歴史(上)』岩波文庫 

5.
準備学修の内容

 テキストの指定された範囲をあらかじめ読んでくること

6.
その他履修上の注意事項

 毎時間、小さな課題で答案を書いてもらい、その提出をもって出席を認定する
 ぼんやり座っているだけでは単位は得られない

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション
 へロドトスとその時代
【第2回】
 リュディア王国史・クロイソスとソロンの対話(第1巻2~45章)
【第3回】
 デルフォイの神託・クロイソスの敗北と改心(71~94章)
【第4回】
 メディア王国史・キュロスの出生(95章~122章)
【第5回】
 キュロスの決起・ペルシア帝国の勃興(123~140章)
【第6回】
 バビロニアの歴史とその陥落・キュロスの最期(177~217章)
【第7回】
 前半のまとめと中間試験
【第8回】
 答案の返却と解説
 カンビュセスのエジプト征服と彼の狂気(第3巻1~38章)
【第9回】
 マゴス僧の王位簒奪・カンビュセスの死(61~66章)
【第10回】
 7人の同志の決起とマゴス僧の打倒・国制論争(67~87章)
【第11回】
 ビーシトゥーン碑文とダレイオス即位の真相
【第12回】
 ダレイオス1世の国制・ペルセポリス建造(89~119章)
【第13回】
 ペルシア王家の女性たち
【第14回】
 へロドトスにおける自由の理念
【第15回】
 後半のまとめと試験