Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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西洋政治思想史 I 森谷 公俊
選択  2単位
【史】 17-1-1340-0538-09

1. 授業の概要(ねらい)

 ルネサンス時代のヨーロッパを代表する思想家を取り上げ、その作品を歴史的背景の中でじっくりと読解する。取り上げる思想家は計5人、作品はイタリアではダンテ『神曲』とマキアヴェリ『君主論』、オランダからはエラスムス『痴愚神礼賛』、フランスではラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエル』、ヴォルテール『寛容論』である。
 どの作品も、彼らが生きた時代の激動の中で格闘しつつ、人間本来のあり方を求めて書かれた。政治思想を読み取るだけでなく、歴史と人間の真実をつかみ取ってもらいたい。

2.
授業の到達目標

 古典作品を直に読み、その中に著者の政治思想を的確に読み取ること
 古典作品のテキストを時代背景とのかかわりで解釈できること

3.
成績評価の方法および基準

 中間試験40%、期末試験60%

4.
教科書・参考書

 毎回プリントを配布する

5.
準備学修の内容

 授業終了後にプリントとノートを読み直しておくこと

6.
その他履修上の注意事項

 毎回小さな課題で答案を書いてもらい、その提出をもって出席を認定する

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション
  ダンテ『神曲』入門
【第2回】
 『神曲』(1)
  名場面とその魅力
【第3回】
 『神曲』(2)
  ダンテは古代文学の伝統をどう受け継いだか
【第4回】
 『神曲』(3)
  ダンテはローマ教皇の何を批判したのか
【第5回】
 『神曲』(4)
  フィレンツェの政治と経済はどう反映しているか
【第6回】
 『君主論』(1)
  マキアヴェリとその時代
  理想の君主チェーザレ・ボルジア
【第7回】
 『君主論』(2)
  傭兵批判と軍制改革
【第8回】
 『君主論』(3)
  君主の美徳と悪徳について
  マキアヴェリズムの真髄をどう理解するか
【第9回】
 前半のまとめと中間試験
【第10回】
 エラスムス(1)
  『痴愚神礼賛』
【第11回】
 エラスムス(2)
  人文主義とキリスト教批判
【第12回】
 『ガルガンチュアとパンタグリュエル』(1)
  フランス人文主義の精神
【第13回】
 『ガルガンチュアとパンタグリュエル』(2)
  戦争と平和の思想
【第14回】
 ヴォルテール『寛容論』
【第15回】
 後半のまとめと試験