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授業の概要(ねらい) |
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この日本史概説Ⅰの授業は講義方式で行われ、その内容は新1年生が高校までの学修によって既に得ている知識を基盤とし、その上にさらに大学史学科での将来的な学修に必要な教養を獲得し、あるいはより詳細な歴史的知識・知見を積み重ねていくことを目的としたものである。この授業は日本史に関するものだが、1年生の学修希望の範囲は多様なので、広く先史・考古学的な時代から講義を始め、そこから現代までの日本史各時代を取り扱う。ただし半期で15回と授業の回数が限られているため、全時代の通史的な説明をしている余裕はなく、時間ごとにその時代に関わる講義テーマをある程度定める。それは各時代の注目すべき人物や事象、その背景などを最新の研究状況を織り込みつつ、説明していくものである。 前期には、縄文・弥生時代の社会から、古代・中世のことがらについて述べていく。
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2. |
授業の到達目標 |
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新1年生が日本史各時代のさまざまな事象などに触れて、それらやその背景に関する知識を深め、同時に現代人の既成概念にとらわれない大学での歴史学の、学問的な視点や方法論論にも慣れてもらうことを目標とする。さらにそれらが、次年度以降の各学生の専攻分野における発展的学修の基礎となることを目指す。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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出席は成績評価の前提となる必要条件である。それを満たした上で、前期授業の最後の時間に実施する試験の解答内容を勘案して、成績を評価する。
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教科書・参考書 |
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木村茂光ら編著『大学でまなぶ日本の歴史』(吉川弘文館)をテキストとする。
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5. |
準備学修の内容 |
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大学での日本史の概説的授業は、高校時代の日本史学修からの継続的な部分を持つと共に、それをさらに発展・拡大させ、日本史総体について大学生としての思考・把握ができるようにする場でもある。しかし授業時間数自体は限定されるので、自分から進んで日本史関係の各種書籍を、事前にあるいは授業と並行して読んでいくことが望ましい。その場合にも、最初から狭い範囲に自分のテーマを決めてしまうのではなく、日本史以外の外国史・地理・考古・美術・文化財等に関するものも参考として、合わせて読んでいくべきである。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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授業には当然きちんと毎回出席し、自分の方法・判断で板書以外の説明内容もどんどんノートに取っていくことが大切。 なお下の授業内容はあくまで予定であり、状況によっては変更されることもあるので、承知しておいてもらいたい。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | ガイダンス。この授業の進め方やテキストの紹介、さらに読んでおくべき日本史関係の書籍の紹介などを行う。 | 【第2回】 | 先史・考古学的テーマの講義。縄文・弥生時代の社会状況。 | 【第3回】 | 以下6回ほど古代のテーマについての講義。邪馬台国について。 | 【第4回】 | 日本神話とその民俗学的・神話学的分析。 | 【第5回】 | 聖徳太子とその業績について。 | 【第6回】 | 律令体制とは何か。 | 【第7回】 | 宮と京。なぜ古代は首都が固定しなかったのか。のちに固定した理由は何か。 | 【第8回】 | 摂関政治。その背後にある武士の出現。 | 【第9回】 | 以下6回ほど中世のテーマについての講義。政治の武家主導化と東国鎌倉政権の成立。 | 【第10回】 | 対モンゴル戦争について。 | 【第11回】 | 南北朝内乱。なぜ混乱は続いたか。 | 【第12回】 | 義満の時代。室町幕府の完成期と最盛期。 | 【第13回】 | 応仁・文明の乱。その発生の理由、戦国時代の開始。 | 【第14回】 | 戦国大名について。彼らはどのような存在なのか。 | 【第15回】 | 以上のまとめと試験。 |
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