Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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考古学 I 高木 暢亮
【Ⅲ】  2単位
【Ⅲ 歴史と文化を学ぶ】 17-1-1340-1854-01

1. 授業の概要(ねらい)

 考古学は物質資料を元にして研究を行う学問、つまりヒトが作り出したモノによって人間の文化や社会などを研究する学問です。このモノに基づいて研究をおこなうという点で、文献資料を基にして研究を行う一般の歴史学とは違う特徴を持っています。この授業ではまず最初にモノを扱う考古学の特徴について説明します。一般的なイメージとしては、考古学は数千年前の遠い過去を扱う学問だというイメージがあるかもしれません。そのイメージは間違っているわけではありません。しかし、モノという物的資料を扱うということは、考古学の対象とする時代・地域は人類誕生から現在に至るまでの非常に幅広い時間幅と人類が活動したすべての地域という非常に広い地域を対象としています。春期の授業では、人類の進化と世界各地への拡散、農耕の開始と定住化、金属器や都市の出現といった人類史上の重要なテーマについて、モノ、すなわち考古資料を元にして話を進めていきたいと思います。

2.
授業の到達目標

 1.考古学という学問の持つ特性を学び、考古学の基礎的な知識・方法論を理解すること。
   考古資料の持つ特徴と型式学、層位論などの基本的な方法論について理解することが目標です。
 2.現在の人類がどのような過程を経て進化してきたのかについて理解するすること。
   現生人類の誕生から現在に至るまで、歴史上数々の文化が存在してきましたが、これらの諸文化には共通性と多様性があります。この共通性と多様性について理解することが目標です。
 3.考古資料から見た人類史について学ぶこと。
   考古資料は物的資料であり、文献史料とは違った特性を持っています。特に文字出現以前の人類の歴史を知るうえで、この特性は重要なものとなります。物的資料によって人類史をみた場合どのようなことがわかるかについて学ぶことが目標です。

3.
成績評価の方法および基準

 定期テストの結果で成績を評価します。

4.
教科書・参考書

 指定するテキストや参考書は特にありません。必要に応じて授業内でプリント等を配布する場合があります。

5.
準備学修の内容

 考古学の基礎的な入門書・概説書に目を通しておくことが望ましいです。具体的な書名については授業の中で取り上げる予定です。

6.
その他履修上の注意事項

 当然ですが授業中の私語は厳禁です。注意してもあらたまらない場合は、退室してもらうこともありますので、そのつもりで授業に臨んでください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス
【第2回】
 考古学が扱う資料、時代、地域
 考古学が扱う物的資料の持つ特徴と対象とする時代や地域について
【第3回】
 考古学と関連諸科学
 年代測定、型式学、層位学、保存科学など関連諸科学について
【第4回】
 黎明期から現在に至るまでの考古学
 考古学という学問の成立過程について
【第5回】
 人類の進化
 ホモ・サピエンスの登場に至る人類進化の過程について
【第6回】
 旧石器時代
 原人から新人段階までの旧石器文化
【第7回】
 新石器時代1
 食糧生産と定住の開始
【第8回】
 新石器時代2
 中近東・ヨーロッパの新石器文化
【第9回】
 新石器時代3
 東アジアの新石器文化
【第10回】
 青銅器時代1
 青銅器の持つ特徴、製造方法、用途や種類などについて
【第11回】
 青銅器時代2
 東アジアの青銅器文化
【第12回】
 鉄器時代1
 鉄器の持つ特徴、製造方法、用途や種類などについて
【第13回】
 鉄器時代2
 東アジアの鉄器文化
【第14回】
 都市の出現と古代文明
 都市の定義とメソポタミア、エジプト、中国大陸などの古代文明について
【第15回】
 南北アメリカ大陸の諸文明
 アステカ、マヤ、インカなどのアメリカ大陸の諸文明について