1. |
授業の概要(ねらい) |
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昔から人間は自分たちの遠い過去に興味を持ち、過去についての伝説を聞き、想像してきた。しかしそれは本当の過去の姿を教えるものではなかった。近代的科学の発達のなかで、文字記録が乏しい時代については当時の物的資料(遺跡・遺物)を証拠としてとりあげ、過去を再構成することが試みられるようになった。考古学のはじまりである。ところが物的証拠自体は自分が何であるか語ることがない。そこで寡黙な物的資料に無理やり過去を語らせる考古学独特の方法が発達した。地下に眠る歴史資料がいかに豊かで、人間が歩んできた過去を雄弁に語るか、考古学が発達するまでは想像もされなかった。考古学ⅡではⅠとは対照的に日本以外の世界各地の考古学の調査と成果をとりあげ、人類の誕生から世界各地に高度な古代文明が誕生する過程をトピックス的にとりあげ、新大陸や太平洋の島々に人類が拡散する過程を概観する。人類の文化・社会がいかに発達し、現代社会の基礎を築いたかを理解する。
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2. |
授業の到達目標 |
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時間的に非常に長く、地域的に非常に広いい視野の中で人間とその文化・社会の発達過程を理解し、この視点から人類の将来について自分の意見をもてる社会人となることをめざす。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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授業への参加度を重視しつつペーパーテストを行う。授業の中で触れた重要語句・主要な概念などについて。
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4. |
教科書・参考書 |
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多くの図書・論文が関係するので1冊にまとまった図書はない。授業中に関連する書籍や論文をあげる。また授業の内容をまとめたプリントを配布する。
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5. |
準備学修の内容 |
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日本の中で外国の考古遺物に接することのできる機会は多くないが、年に数回は素晴らしい展覧会が催されている。そのような機会については授業時間中に紹介するので、積極的に観覧するよう努力してほしい。またBS放送などで外国考古学関係の番組が放映されることも多い。言葉の上だけの勉強では、考古学の面白さの半分も伝わらないので、このような機会を利用できるよう授業で情報を伝える。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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多彩な内容をとりあげるので、毎回忘れないうちにノートの整理を行うこと。個々の具体的事実の記憶よりも、世界の文化社会が長い時間の流れの中で経験してきた大きく根本的な変化を理解してほしい。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | 考古学とは何か | 【第2回】 | 人類の起源を求めて | 【第3回】 | 旧石器時代の洞窟壁画 | 【第4回】 | ヨーロッパの先史時代 | 【第5回】 | 農耕牧畜の始まり | 【第6回】 | 文字と都市文明の始まり | 【第7回】 | 西アジアの古代帝国の興亡 | 【第8回】 | エジプトの古代文化 | 【第9回】 | 世界各地の文字のつながりと解読 | 【第10回】 | 先古典期と古典期のギリシア | 【第11回】 | ローマ帝国とポンペイ | 【第12回】 | 古代中国(1) 旧石器・新石器時代と殷周の文化 | 【第13回】 | 古代中国(2) 秦漢帝国とその周辺 | 【第14回】 | 新大陸の諸文明、太平洋の島々の考古学 | 【第15回】 | 全体のまとめとペーパーテスト |
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