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授業の概要(ねらい) |
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本授業では「現代」という時代の特徴について学ぶ。かつてイタリアの哲学者クローチェは「すべての歴史は現代史である」と述べた。またイギリスの歴史家E.H.カーは歴史とは「現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話」であると述べた。彼らが言わんとしていることは、歴史を論じる際に、現代の問題に照らして過去を考えることの重要性である。こうした視点から本授業では、歴史を直接論じるのではなく、歴史を論じる際の前提として「現代」についての理解を深めていく。 本授業は「現代」の様々な問題について扱っていく。そこで『岩波講座 現代』を利用して、出来る限り多くのテーマに触れる。前期はその中から「科学技術」「家族」「性」「教育」を取り上げる。 また本授業は、「現代」についての知識を得るだけではなく、「現代」に対する自分の意見を述べられるようになることを目指す。そのため授業は、教員による講義と合わせて、学生間のディスカッションで進めていく。
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2. |
授業の到達目標 |
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①「現代」がかかえる問題について説明できる ②「現代」という時代に対する自分の意見を述べることができる
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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平常点(40%)、期末試験(60%)
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4. |
教科書・参考書 |
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大澤真幸、佐藤卓己、杉田敦、中島秀人、諸富徹編『岩波講座 現代』全9巻、岩波書店、2015-2016年。
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5. |
準備学修の内容 |
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授業ではディスカッションを行うので、事前に指示された文章(20~30ページ)を読んでくることは必須である 授業で扱う箇所の文章は事前に配布するので購入の必要はない
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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ディスカッションを苦手とする人は多いかもしれないが、ぜひその楽しさに目覚めてほしい
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 授業に関するガイダンス | 【第2回】 | 「現代」の諸問題についての概観 | 【第3回】 | 「科学技術」①(中島秀人「歴史から見た二一世紀の科学技術」) | 【第4回】 | 「科学技術」②(吉岡斉「戦後秩序破壊と科学・技術」) | 【第5回】 | 「科学技術」③(荻上チキ「「ネット社会の闇」とは何だったのか」) | 【第6回】 | 「家族」①(千田有紀「揺らぐ日本の近代家族」) | 【第7回】 | 「家族」②(赤川学「家族の多様性と社会の多様性:少子化をめぐって」) | 【第8回】 | 「家族」③(高谷幸「近代家族の臨界としての日本型国際結婚」) | 【第9回】 | 「性」①(風間孝「性的マイノリティをとりまく困難と可能性」) | 【第10回】 | 「性」②(樫村愛子「現代社会における性的差異と性関係) | 【第11回】 | 「教育」①(広田照幸「教育改革と反知性主義」) | 【第12回】 | 「教育」②(藤原辰史「食は教育の課題なのか」) | 【第13回】 | 「教育」③(波戸岡景太「学習者たちの青春小説」) | 【第14回】 | 「現代」の社会に共通する問題を考える | 【第15回】 | まとめと試験 |
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