Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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西洋史特殊講義3C- II 能勢 和宏
選択必修  2単位
【史】 17-1-1340-4225-08

1. 授業の概要(ねらい)

 本授業では「現代」という時代の特徴について学ぶ。かつてイタリアの哲学者クローチェは「すべての歴史は現代史である」と述べた。またイギリスの歴史家E.H.カーは歴史とは「現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話」であると述べた。彼らが言わんとしていることは、歴史を論じる際に、現代の問題に照らして過去を考えることの重要性である。こうした視点から本授業では、歴史を直接論じるのではなく、歴史を論じる際の前提として「現代」についての理解を深めていく。
 本授業は「現代」の様々な問題について扱っていく。そこで『岩波講座 現代』を利用して、出来る限り多くのテーマに触れる。後期はその中から「政治」「経済」「宗教」「歴史」を取り上げる。
 また本授業は、「現代」についての知識を得るだけではなく、「現代」に対する自分の意見を述べられるようになることを目指す。そのため授業は、教員による講義と合わせて、学生間のディスカッションで進めていく。

2.
授業の到達目標

 ①「現代」がかかえる問題について説明できる
 ②「現代」という時代に対する自分の意見を述べることができる

3.
成績評価の方法および基準

 平常点(40%)、期末試験(60%)

4.
教科書・参考書

 大澤真幸、佐藤卓己、杉田敦、中島秀人、諸富徹編『岩波講座 現代』全9巻、岩波書店、2015-2016年。

5.
準備学修の内容

 授業ではディスカッションを行うので、事前に指示された文章(20~30ページ)を読んでくることは必須である
 授業で扱う箇所の文章は事前に配布するので購入の必要はない

6.
その他履修上の注意事項

 ディスカッションを苦手とする人は多いかもしれないが、ぜひその楽しさに目覚めてほしい

7.
各回の授業内容
【第1回】
 授業のガイダンス
【第2回】
 「現代」の諸問題についての概括
【第3回】
 政治①(杉田敦「政治の現在と未来」)
【第4回】
 政治②(木村草太「憲法と同性婚」)
【第5回】
 政治③(吉田徹「ポピュリズムとは何か」)
【第6回】
 経済①(諸富徹「資本主義経済の将来と国家機能の相対化」)
【第7回】
 経済②(篠田剛「二一世紀の多国籍企業と現代の「租税国家の危機」」)
【第8回】
 経済③(諸富徹「資本主義経済の非物質主義的転回」)
【第9回】
 宗教①(橋爪大三郎「終わりの始まりとしての、宗教」)
【第10回】
 宗教②(酒井啓子「イスラーム主義・宗派主義と暴力化」)
【第11回】
 宗教③(芳賀学「成熟社会における宗教のゆくえ」)
【第12回】
 歴史①(小山哲「よみがえる東欧と記憶の再編」)
【第13回】
 歴史②(松田素二「アフリカ史の可能性」)
【第14回】
 歴史③(輪島裕介「音楽史の可能性」)
【第15回】
 まとめと試験