Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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西洋史概説 I 石川 敬史
選択必修(27年度以降入学生)  2単位
【史】 17-1-1340-4649-08

1. 授業の概要(ねらい)

 私たちが身をおく、現代の国家システム、あるいは基本的人権のような法概念や民主主義といった政治思想、さらには大学制度といったものは、西洋の歴史的文脈から多分に偶然に生まれたものであった。この授業では、「西洋という規範」がどのような歴史的経緯から形成されてきたのかを検討する。
 西洋史は多くの場合、古代・中世・初期近代・近代と便宜上区分されるが、この西洋史概説Ⅰでは、古代から中世の終わりに位置するルネサンスまでを射程とする。

2.
授業の到達目標

 人間や社会のあり方を幅広く俯瞰的にみるための見識を修養する。
 自発的にどのような本を読みたいかを考えられるようになる。

3.
成績評価の方法および基準

 二回の小レポート(20点+20点)による評価40%
 論述式の期末試験による評価60%

4.
教科書・参考書

 教科書は特に指定せず、講義毎にレジュメ・資料を配布する。
 参考書:宇野重規『西洋政治思想史』(有斐閣、2013年)

5.
準備学修の内容

 毎回の講義で、参照文献を紹介するので該当箇所を通読しておく。
 前の講義時に配布したレジュメ・資料の内容を確認しておく。

6.
その他履修上の注意事項

 復習を中心に学修を行ってほしい。
 質問は随時受付けるので、積極的な姿勢で授業に臨んでほしい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス
 本講義の概要と意義、学修方法について詳細な説明を行う。
【第2回】
 古代ギリシャの歴史と思想(1)
 1.古代ギリシャにおける政治と哲学
 2.アテナイ人の価値観と民主主義
【第3回】
 古代ギリシャの歴史と思想(2)
 1.ソクラテスとは何者か
 2.プラトンの政治哲学
 3.アリストテレスの政治哲学
【第4回】
 共和政ローマの歴史と思想
 1.ギリシャ的なるものとローマ的なるもの
 2.ヘレニズム文明の思考様式
 3.ポリビュオスの政体循環説と混合政体論
【第5回】
 帝政ローマの歴史と思想
 1.専制とはいかなるものか
 2.帝政ローマにおける市民概念の変容
【第6回】
 キリスト教の誕生と展開(1)
 1.ヘブライズムと一神教
 2.キリスト教の誕生
 3.民族宗教と世界宗教
【第7回】
 キリスト教の誕生と展開(2)
 1.教父哲学と神学の誕生
 2.アウグスティヌスの神学と政治思想
【第8回】
 中世ヨーロッパの歴史と思想(1)
 1.滅びるローマと生き残るキリスト教会
 2.キリスト教普遍世界の構造と論理
【第9回】
 中世ヨーロッパの歴史と思想(2)
 1.封建制度とローマ・カトリック教会
 2.スコラ哲学と普遍論争
 3.トマス・アクィナスの『神学大全』
【第10回】
 ルネサンスと宗教改革(1)
 1.キリスト教普遍世界が解体した契機について
 2.中世ヨーロッパについての総括
【第11回】
 ルネサンスと宗教改革(2)
 1.ルネサンスとは何か
 2.ヒューマニズムの諸展開
【第12回】
 ルネサンスと宗教改革(3)
 1.シヴィック・ヒューマニズムの登場
 2.マキャヴェッリの政治思想
【第13回】
 ルネサンスと宗教改革(4)
 1.宗教改革とは何か
 2.正統と異端
 3.様々な異端
【第14回】
 ルネサンスと宗教改革(5)
 1.ルターの宗教改革
 2.カルヴァンの宗教改革
 3.世俗君主の台頭
【第15回】
 前期の総括授業および質疑応答・討論