Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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西洋史概説 II 石川 敬史
選択必修(27年度以降入学生)  2単位
【史】 17-1-1340-4649-09

1. 授業の概要(ねらい)

 私たちが身をおく、現代の国家システム、あるいは基本的人権のような法概念や民主主義といった政治思想、さらには大学制度といったものは、西洋の歴史的文脈から多分に偶然に生まれたものであった。この授業では、「西洋という規範」がどのような歴史的経緯から形成されてきたのかを検討する。
 西洋史は多くの場合、古代・中世・初期近代・近代と便宜上区分されるが、この西洋史概説Ⅱでは、初期近代から現代までを射程とする。

2.
授業の到達目標

 人間や社会のあり方を幅広く俯瞰的にみられるための見識を修養する。
 自発的にどのような本を読みたいかを考えられるようにする。

3.
成績評価の方法および基準

 二回の小レポート(20点+20点)による評価40%
 論述式の期末試験による評価60%

4.
教科書・参考書

 教科書は指定せず、講義毎にレジュメ・資料を配布する。
 参考書:宇野重規『西洋政治思想史』(有斐閣、2013年)

5.
準備学修の内容

 毎回の講義で、参照文献を紹介するので該当箇所を通読しておく。
 前の講義時に配布したレジュメ・資料の内容を確認しておく。

6.
その他履修上の注意事項

 復習を中心に学修を行ってほしい。
 質問は随時受付けるので、積極的な姿勢で授業に臨んでほしい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス
 本講義の概要と意義、学修方法について詳細な説明を行う。
【第2回】
 絶対王政成立の契機(1)
 1.聖界秩序から世俗秩序へ
 2.コンフェッショナリズムの時代
 3.30年戦争からウエストファリア条約
【第3回】
 絶対王政成立の契機(2)
 1.ウエストファリア条約についての様々な見解
 2.主権とは何か
 3.絶対王政の諸相―フランス、イギリスを中心に
【第4回】
 17世紀イングランドの政治思想
 1.イングランド内乱
 2.ホッブズの政治思想
 3.ロックの政治思想
【第5回】
 18世紀の啓蒙思想
 1.モンテスキューの政治思想
 2.啓蒙思想の諸相
 3.来世から現世へ
【第6回】
 アメリカ革命(1)
 1.ヨーロッパ人のアメリカ大陸への入植
 2.イギリス領北アメリカ植民地の形成史
 3.その他のアメリカ領植民地の諸相
【第7回】
 アメリカ革命(1)
 1.反英抵抗運動から革命へ
 2.アメリカ独立宣言の政治思想史
 3.アメリカ独立宣言の世界史
【第8回】
 フランス革命(1)
 1.ルソーの政治思想
 2.旧体制のフランス社会
【第9回】
 フランス革命(2)
 1.フランス革命とフランス革命批判
 2.保守主義思想の形成
【第10回】
 19世紀の政治思想(1)
 1.ヘーゲルの歴史哲学
 2.トクヴィルとミル
【第11回】
 19世紀の政治思想(2)
 1.社会主義思想
 2.マルクスの共産主義思想
【第12回】
 二つの世界大戦
 1.第一次世界大戦
 2.第二次世界大戦
【第13回】
 20世紀の社会思想(1)
 1.米ソ冷戦
 2.冷戦下の国際政治
【第14回】
 20世紀の社会思想(2)
 1.デモクラシーを再考する
 2.20世紀はどこから始まりどこで終わったのか
【第15回】
 後期授業の総括と21世紀初頭の現在を考察する