Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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西洋史特殊講義5C- I 石川 敬史
選択必修  2単位
【史】 17-1-1340-4649-12

1. 授業の概要(ねらい)

 この授業は、近代以降の日本にとって最もつきあいの古い国家であるアメリカ合衆国の歴史を概観するものである。アメリカ合衆国が成立した歴史的経緯を知り、その建国の理念が、アメリカ合衆国の内政的事情と外交的立場の変化によって、どのように展開してきたのかを考察する。
 この西洋史特殊講義5C-1では、植民地時代から南北戦争までの歴史を射程とする。

2.
授業の到達目標

 アメリカ合衆国に関する情報は、メディアを通じて日々大量に目にするが、この授業を通して、それらの情報を読み解く透徹した歴史感覚を修養する。

3.
成績評価の方法および基準

 二回の小レポート(20点+20点)による評価40%
 論述式の期末試験による評価60%

4.
教科書・参考書

 教科書は特に指定せず、授業毎にレジュメ・資料を配布する。
 参考書:斎藤眞・古矢旬『アメリカ政治外交史[第二版]』(東京大学出版会、2012年)

5.
準備学修の内容

 毎回の講義で、参照文献を紹介するので該当箇所を通読しておく。
 前の講義で配布したレジュメ・資料の内容を確認しておく。

6.
その他履修上の注意事項

 復習を中心に学修を行ってほしい。
 質問は随時受付けるので、積極的な姿勢で授業に臨んでほしい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス
 1.北アメリカ大陸の地史と先住民
 2.北アメリカ大陸におけるヨーロッパ人の登場
 3.本講義の概要と単位認定方針の解説
【第2回】
 植民地時代の北アメリカ(1)
 1.イギリス領北アメリカ植民地の形成と発展
 2.イギリス領北アメリカ植民地の政治構造と本国政府の統治政策
【第3回】
 植民地時代の北アメリカ(2)
 1.イギリス領北アメリカ植民地における信仰復興運動
 2.大西洋両岸のイギリス人世界の変容
【第4回】
 アメリカ革命(1)
 1.フレンチ・インディアン戦争以降の統治政策の変化
 2.反イギリス抗争の論理とその変容
 3.権力構造の創設と独立
【第5回】
 アメリカ合衆国憲法(1)
 1.国家形成の必要性―国際条約と国内事情
 2.フェデラリスツとアンティ・フェデラリスツ
 3.連邦憲法案の作成とその批准
【第6回】
 アメリカ合衆国憲法(2)
 1.フェデラリスツ政権
 2.建国期における党派抗争
 3.党派抗争から政党政治へ
【第7回】
 大陸国家論
 1.「1800年の革命」と孤立主義外交の歴史的経緯
 2.ナショナリズムとセクショナリズム
【第8回】
 膨張するアメリカ合衆国
 1.モンロー・ドクトリンと「明白なる運命」
 2.ジャクソニアン・デモクラシーの時代
【第9回】
 アフリカ人奴隷制度
 1.大西洋奴隷貿易の始まりと展開
 2.「コットン・エンパイアー」としての初期共和国
【第10回】
 南北戦争(1)
 1.南北対立の歴史的構造
 2.奴隷制度とプランターの寡頭支配
 3.反プランター勢力の結集と共和党の誕生
【第11回】
 南北戦争(2)
 1.エイブラハム・リンカンとその時代
 2.南部連合の連邦からの離脱と南北戦争の勃発
【第12回】
 南北戦争(3)
 1.南北戦争の趨勢についての考察
 2.南北戦争期の外交
 3.南部連合の消滅
【第13回】
 再建期のアメリカ合衆国
 1.再建期とは何か
 2.再建期のアメリカ政治思想の変容
【第14回】
 初期アメリカ共和政の終焉
 1.アメリカの政治的伝統とは
 2.現代アメリカの原型としての金ぴか時代
【第15回】
 前期講義の総括と質疑応答