Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
西洋史特殊講義5C- II 石川 敬史
選択必修  2単位
【史】 17-1-1340-4649-13

1. 授業の概要(ねらい)

 この授業は、近代以降の日本にとって最もつきあいの古い国家であるアメリカ合衆国の歴史を概観するものである。アメリカ合衆国が成立した歴史的経緯を知り、その建国の理念が、アメリカ合衆国の内政的事情と外交的立場の変化によって、どのように展開してきたのかを考察する。
 この西洋史特殊講義5C-2では、南北戦争後から現代までのアメリカ合衆国の歴史を射程とする。

2.
授業の到達目標

 アメリカ合衆国に関する情報は、メディアを通じて日々大量に目にするが、この授業を通して、それらの情報を読み解く透徹した歴史感覚を修養する。

3.
成績評価の方法および基準

 二回の小レポート(20点+20点)による評価40%
 論述式の期末試験による評価60%

4.
教科書・参考書

 教科書は特に指定せず、授業毎にレジュメ・資料を配布する。
 参考書:斎藤眞・古矢旬『アメリカ政治外交史[第二版]』(東京大学出版会、2012年)

5.
準備学修の内容

 毎回の講義で、参照文献を紹介するので該当箇所を通読しておく。
 前の講義で配布したレジュメ・資料の内容を確認しておく。

6.
その他履修上の注意事項

 復習を中心に学修を行ってほしい。
 質問は随時受付けるので、積極的な姿勢で授業に臨んでほしい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス
 1.南北戦争後のアメリカ合衆国の概観
 2.この講義の狙いと意義、単位認定方針についての解説
【第2回】
 金ぴか時代
 1.共和党政権と工業化
 2.レッセ・フェールと社会進化論
 3.不満の組織化の失敗
 4.危機的状況とポピュリズム
【第3回】
 革新主義の時代
 1.革新主義とは何か
 2.革新主義時代の大統領―ローズベルト、タフト、ウイルソン
 3.様々な改革
【第4回】
 海洋帝国の構想
 1.フロンティアラインの消滅
 2.米西戦争と海洋帝国構想
 3.太平洋のアメリカ合衆国
【第5回】
 新たな外交政策
 1.アメリカ外交思想―孤立主義、介入主義、理想主義、現実主義
 2.ニュー・ナショナリズム
 3.ニュー・フリーダム
【第6回】
 第一次世界大戦とアメリカ合衆国
 1.第一次世界大戦参戦とその顛末
 2.「平常への復帰」と大衆社会
 3.凡庸極まりない時代
【第7回】
 世界恐慌
 1.恐慌の到来
 2.都市政党としての民主党の変容
 3.無策に継ぐ無策
【第8回】
 ニューディール政策
 1.1932年の大統領選挙
 2.ニューディール政策とは何か
 3.第二次ニューディールとローズベルト連合
【第9回】
 第二次世界大戦とアメリカ合衆国
 1.ローズベルト政権の対外政策
 2.第二次世界大戦
 3.ローズベルトからトルーマンへ
【第10回】
 冷戦とアメリカ合衆国
 1.冷戦とフェア・ディール
 2.アイゼンハワー政権とケネディ政権
 3.人種問題とヴェトナム戦争
【第11回】
 公民権運動
 1.ジム・クロウ体制と公民権運動への自覚
 2.上からの公民権運動と下からの公民権運動
 3.キング牧師とマルコムX
【第12回】
 新たな保守と新冷戦
 1.ニューディール・リベラリズムの衰退
 2.新保守主義の登場
 3.新冷戦のアメリカ外交
【第13回】
 冷戦の終結と唯一の超大国へ
 1.帝国としてのアメリカ合衆国再考
 2.グローバリズムとアメリカニズム
 3.様々な蠢動
【第14回】
 21世紀のアメリカ合衆国
 1.2000年の大凡戦から9.11事件へ
 2.イラク戦争下の保守政治
 3.2008年の金融危機とオバマ政権の誕生
【第15回】
 後期の授業の総括として、オバマ政権の省察と今後を検討する