Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
日本史特殊講義2C- I 佐伯 智広
選択必修  2単位
【史】 17-1-1340-4650-09

1. 授業の概要(ねらい)

 日本の政治史上、古代と中世を分けるものと考えられているのは、摂関政治から院政への移り変わりです。院政が開始される背景には、男系主義・嫡系主義の成立という、家族のあり方の変化があります。この、男系主義・嫡系主義は、現代の天皇制に受け継がれ、また、夫婦別姓の問題などにも影響を及ぼすなど、現代の私たちの生活にも、深く関わる問題です。
 本講義では、皇位継承のあり方の変遷や、院政の成立がその後の政治史に及ぼした影響について見て行くことで、中世前期の政治の特質や、中世社会と現代との関わりについて考えていきます。

2.
授業の到達目標

 皇位継承のあり方の変遷と、それが政治史に及ぼした影響について、史料に基づいて説明できるようになること、および、現代社会などと比較しながら、中世の政治について主体的に考えることができるようになることを目指します。

3.
成績評価の方法および基準

 予習シート 30%
 期末レポート70%

4.
教科書・参考書

 〈テキスト〉
  指定教科書はありません。プリントを授業時に配布します。
 〈参考文献〉
  美川圭『院政 もう一つの天皇制』(中央公論新社、2006年)
  佐伯智広『中世前期の政治構造と王家』(東京大学出版会、2015年)

5.
準備学修の内容

 予習として、予習シートに指定されたキーワードについて調べ、意味を記入する必要があります。また、復習として、板書のノート整理を行う必要があります。

6.
その他履修上の注意事項

 講義は板書形式ですので、ノート類が必要となります。私語等に対する指導に従わない場合は減点等の対象となります。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 現代社会と世襲
【第2回】
 女帝と皇位の世代間継承
【第3回】
 皇位の直系継承と摂関政治
【第4回】
 皇位の直系継承と院政
【第5回】
 院政期の皇位継承と政治構造
【第6回】
 鳥羽院政期の皇位継承
【第7回】
 皇位継承と保元の乱
【第8回】
 皇位継承と治承三年政変
【第9回】
 皇位継承と源平合戦
【第10回】
 皇位継承と源頼朝
【第11回】
 皇位継承と承久の乱
【第12回】
 鎌倉幕府による皇位継承介入
【第13回】
 両統迭立の開始
【第14回】
 皇位継承問題と南北朝内乱
【第15回】
 皇位と権力の分離