Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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社会心理学 I 神山 英紀
選択  2単位
【社会】 17-1-1350-0156-04

1. 授業の概要(ねらい)

 「社会心理学」は、いまや、「社会学」や「心理学」とは別に、それ自体で1つの学問分野として確立されている。しかしこの講義では、主として「社会学」に関わる人々の基礎的教養を高めるという方針にそって、その隣接分野としての「社会心理学」について解説してゆきたいとおもう。事実、近年のいわゆる「ミクロ社会学」の隆盛の影で、ときにみられるこの分野への無知と偏見は、学問全般の発達にとって非効率であるばかりでなく、社会学専攻者の知的成長にとっても大きな障害となる可能性がある。
 したがって、ここでは、社会心理学において独自に発達を遂げた実験方法や分析技法の詳細までを理解してもらうことは求めない。その代わりに、この分野の主な成果(それはしばしば、我々の直感を裏切る、人間心理についての鋭い発見である)を知り、それらに基づいて、この社会について様々な角度から柔軟に論じられるようになってもらいたいとおもう。

2.
授業の到達目標

 この分野の主な成果を知り、それらに基づいて、この社会について様々な角度から柔軟に論じられるようになること。

3.
成績評価の方法および基準

 講義期間中、不定期に5回程度、質問に回答してもらう形で調査を実施し、その“平常点”を合わせた点数を基本に成績評価を行う予定。(開講時にさらに詳細を述べる。)

4.
教科書・参考書

 参考書:潮村 公弘・福島 治『社会心理学概説』北大路書房
 参考書:小林 裕・飛田 操『【教科書】社会心理学』北大路書房(絶版)

5.
準備学修の内容

 『社会心理学Ⅰ・Ⅱノート』というタイトルの冊子を配布いたしますので、それを中心に十分な予習・復習を行ってください。

6.
その他履修上の注意事項

 心理テストに回答してもらったり、模擬実験に参加してもらったりする機会があります。そのため、それらに協力的である方に履修してもらいたいとおもいます。また、それらの実施などのため、遅刻については、ある時刻以降の部屋への入室を許可しないことがあります。毎回の出席が重要であることはもちろんです。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 成績評価法などこの講義についての説明
 「社会学」と「社会心理学」との関わり
【第2回】
 自分を知る(1)自己意識尺度、客体的自覚理論など。
【第3回】
 自分を知る(2)ジンバルドーの実験、社会的比較理論など。
【第4回】
 ひとに伝える 自己呈示の理論、非言語コミュニケーションなど。
【第5回】
 ひとを好きになる(1)ウォルスターの実験、進化論的アプローチなど。
【第6回】
 ひとを好きになる(2)単純接触効果、愛情
 ・好意尺度など。
【第7回】
 ひとを助ける(1)援助行動の種類、傍観者効果など。
【第8回】
 ひとを助ける(2)援助行動の要因、向社会的行動の理論など。
【第9回】
 中間総括
【第10回】
 ひとと争う(1)葛藤のタイプ、方略選択理論など。
【第11回】
 ひとと争う(2)葛藤の動機づけ、葛藤解決など。
【第12回】
 ひとの気持ちを変える(1)態度についての理論、行為意図の予測理論など。
【第13回】
 ひとの気持ちを変える(2)バランス理論、認知的不協和理論など。
【第14回】
 ひとの気持ちを変える(3)メッセージ学習説、精緻化見込みモデルなど。
【第15回】
 全体総括