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授業の概要(ねらい) |
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「社会心理学」は、いまや、「社会学」や「心理学」とは別に、それ自体で1つの学問分野として確立されている。しかしこの講義では、主として「社会学」に関わる人々の基礎的教養を高めるという方針にそって、その隣接分野としての「社会心理学」について解説してゆきたいとおもう。事実、近年のいわゆる「ミクロ社会学」の隆盛の影で、ときにみられるこの分野への無知と偏見は、学問全般の発達にとって非効率であるばかりでなく、社会学専攻者の知的成長にとっても大きな障害となる可能性がある。 したがって、ここでは、社会心理学において独自に発達を遂げた実験方法や分析技法の詳細までを理解してもらうことは求めない。その代わりに、この分野の主な成果(それはしばしば、我々の直感を裏切る、人間心理についての鋭い発見である)を知り、それらに基づいて、この社会について様々な角度から柔軟に論じられるようになってもらいたいとおもう。 春期の「社会心理学 I 」の続きをすることになりますが、この「II」からの受講も可能です。
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2. |
授業の到達目標 |
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この分野の主な成果を知り、それらに基づいて、この社会について様々な角度から柔軟に論じられるようになること。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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講義期間中、不定期に5回程度、質問に回答してもらう形で調査を実施し、その“平常点”を合わせた点数を基本に成績評価を行う予定。(開講時にさらに詳細を述べる。)
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教科書・参考書 |
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参考書 潮村 公弘・福島 治『社会心理学概説』北大路書房 参考書 小林 裕・飛田 操『【教科書】社会心理学』北大路書房(絶版)
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準備学修の内容 |
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『社会心理学Ⅰ・Ⅱノート』というタイトルの冊子を配布いたしますので、それを中心に十分な予習・復習を行ってください。
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その他履修上の注意事項 |
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心理テストに回答してもらったり、模擬実験に参加してもらったりする機会があります。そのため、それらに協力的である方に履修してもらいたいとおもいます。また、それらの実施などのため、遅刻については、ある時刻以降の部屋への入室を許可しないことがあります。毎回の出席が重要であることはもちろんです。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | 成績評価法などこの講義についての説明 | 【第2回】 | 集団とかかわる(1)集団帰属意識など。 | 【第3回】 | 集団とかかわる(2)リーダーシップPM理論、コンティンジェンシー理論など。 | 【第4回】 | 集団とかかわる(3)集団による問題解決の諸問題、社会的アイデンティティ理論など。 | 【第5回】 | 組織とかかわる(1)ワークモチベーションの理論、マズローの欲求階層説など。 | 【第6回】 | 組織とかかわる(2)期待理論、自己効力の理論など。 | 【第7回】 | 組織とかかわる(3)ホーソン研究、組織社会化の諸理論など。 | 【第8回】 | 中間総括 | 【第9回】 | 社会を知る(1)印象形成の実験、ビッグファイブモデルなど。 | 【第10回】 | 社会を知る(2)情動二要因説、気分一致効果など。 | 【第11回】 | 社会に知る(3)帰属理論、社会的状況の認知など。 | 【第12回】 | 社会を知る(4)ステレオタイプ的認知、集団間認知など。 | 【第13回】 | 社会とかかわる(1)衡平理論、手続き的公正の研究など。 | 【第14回】 | 社会とかかわる(2)正当世界の信念の研究、法廷における責任帰属の研究など。 | 【第15回】 | 全体総括 |
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