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授業の概要(ねらい) |
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社会学の理論は、多くの社会学者の英知と彼らの実証的な検証とが選択淘汰され、その結果生き残った「凝縮された知識」である。こうした理論の根本にある問いは「近代とは何か」であるが、これはまさにわれわれの生きている現実を問い直す、現在においても非常にアクチュアルな問題提起である、といえる。この講義では、このように現実を問い直すきっかけとなるような身近な社会問題を取り上げながら、それを理論的に見ていった場合にどのようなことがいえるのかを、具体的に分かりやすく説明していく。 この社会学理論 I では、社会のマクドナルド化とグローバル社会における貧困格差の問題について見ていく。どちらの問題も実はわれわれの身近に存在しているにもかかわらず、あまり人々に意識されることがないものである。しかしこうした一見身近な事柄を追求していくと、いろいろな問題がつながり、世界大に広がる大きな構図が見えてくる。授業を通じて、こうした思考のダイナミズムを感じてほしい。
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2. |
授業の到達目標 |
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さまざまな事実を認識した上で、特定の社会問題に対して「自分なりの考え」をもてる。 社会の問題を発見し、社会を構想することができる。 調査・研究の成果をもとに論理的な主張を展開できる。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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2回程度行われる授業内レポート(20%)と、定期試験の結果(80%)を総合して判断する。
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教科書・参考書 |
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授業内で、適宜指示する。
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5. |
準備学修の内容 |
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授業中に出てきたわからない言葉や術語の意味などを調べて授業内容を把握しておくとともに、関連する文献や資料などを読んでおくことで、いつでも授業内レポートに対応できるようにしておくこと。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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さまざまな社会問題に興味をもち、それについて自分の頭で考えることが、抽象的な理論の理解にもつながることを知って欲しい。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 社会学理論 I について | 【第2回】 | マクドナルド化する社会 | 【第3回】 | マクドナルド化の非合理的側面① | 【第4回】 | マクドナルド化の非合理的側面② | 【第5回】 | マクドナルド化の非合理的側面③ | 【第6回】 | ファスト風土化する日本 | 【第7回】 | 世界システム論とは何か―導入― | 【第8回】 | ウォーラーステインの世界システム論① | 【第9回】 | ウォーラーステインの世界システム論② | 【第10回】 | バナナと日本人 | 【第11回】 | バナナと多国籍企業 | 【第12回】 | エビと日本人 | 【第13回】 | コーヒーとフェアトレード | 【第14回】 | 食糧問題と環境問題 | 【第15回】 | 春期授業のまとめとテスト |
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