Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
犯罪社会学 山口 毅
選択  2単位
【社会】 17-1-1350-0550-10

1. 授業の概要(ねらい)

 犯罪社会学は、社会との関わりに重点を置いて犯罪現象にアプローチする研究分野である。犯罪社会学の歴史的展開とともに、犯罪や非行を把握するさまざまなタイプの理論が生み出されてきた。その多様性は、社会や人間にたいする捉え方の違いを反映している。たとえば、人は本来善良であり特殊な圧力があってはじめて犯罪に走るのか(性善説)、人は放っておくと犯罪を犯すものであり通常は犯罪を抑止する力が働いているのか(性悪説)といった、根本的な人間観の対立もある。また犯罪の原因論のみならず、犯罪というラベルはどのようなプロセスから生み出されるのか、犯罪を事前に防止する対策は何か、という異なった角度からのアプローチもある。
 この授業では、犯罪社会学の主な理論を紹介し、犯罪現象の多角的な捉え方を学ぶことを目的としている。犯罪というレンズを通して社会や人間にたいする認識を深めることが、授業を通した狙いである。

2.
授業の到達目標

 犯罪社会学の諸理論を通して、犯罪現象の多角的な捉え方を学ぶこと。

3.
成績評価の方法および基準

 学期末試験(80%)と平常点(20%)を総合的に評価する。

4.
教科書・参考書

 テキストとして、岡邊健編『犯罪・非行の社会学』(有斐閣)。適宜補足解説を加えていきたい。その他の参考文献は、授業中に指示する。

5.
準備学修の内容

 授業内容を把握するとともに、関連する文献を読み、わからない用語を調べておくこと。

6.
その他履修上の注意事項

 私語をせず、静かに授業に取り組んでほしい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション:犯罪社会学とは
【第2回】
 犯罪社会学の成立(1)
【第3回】
 犯罪社会学の成立(2)
【第4回】
 犯罪社会学の成立(3)
【第5回】
 デュルケムの犯罪へのアプローチ
【第6回】
 マートンのアノミー論
【第7回】
 サザランドの分化的接触理論
【第8回】
 犯罪・非行とサブカルチャー(1)
【第9回】
 犯罪・非行とサブカルチャー(2)
【第10回】
 社会統制理論
【第11回】
 ラベリング論(1)
【第12回】
 ラベリング論(2)
【第13回】
 環境犯罪学
【第14回】
 批判的犯罪学
【第15回】
 まとめ:犯罪社会学諸理論の相互関係