Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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人類学 I 安達 義弘
【Ⅶ】  2単位
【Ⅶ 地球環境と生命科学を学ぶ】 17-1-1350-3758-05

1. 授業の概要(ねらい)

 人類学といえば、①形質人類学、②考古学、③文化人類学を指す場合が多いが、本授業では③文化人類学をとりあげる。文化人類学とは、人類に特有の「文化」に焦点を当てて世界の多様な民族を比較研究する学問である。文化人類学の重要なキーワードの一つは「文化相対主義」という視点である。文化相対主義とは、自分が属している文化の観点から、相手の文化の優劣を一方的に評価する「自文化中心主義」的な態度ではなく、どのような文化もその置かれた環境に適応する方法として歴史的に形成されたものであり、どの文化にもそれぞれの価値があるという考え方である。
 前期講義では、文化人類学がどのような起源をもつ学問であるかを明らかにし、人間にとって文化とは何かを明らかにするとともに、血縁関係、通過儀礼、ケガレ、社会的交換などをとりあげ、文化人類学がどのような対象をどのように分析するのかを学習する。そのような学習を通して、受講生は、「文化相対主義」とは何かを理解する。

2.
授業の到達目標

 ①文化人類学とはどのような歴史を持つ学問なのかを説明できる。
 ②文化人類学がどのような対象を研究する学問なのかを説明できる。
 ③文化人類学が研究対象をどのように分析するかを説明できる。

3.
成績評価の方法および基準

 期末試験50%、課題レポート30% 授業態度20%、で総合的に評価する。

4.
教科書・参考書

 テキストは使用しない。
 参考書は授業中に随時紹介する。

5.
準備学修の内容

 授業時間外学習として、次の点を求める。
 ①授業内容に関するミニレポートを提出する。
 ②授業終了後、「授業振り返りシート」を提出する。

6.
その他履修上の注意事項

 本講義を通じて、「文化相対主義」という人類学的なものの見方を学習しますが、この視点は、グローバル化が進展し、異文化交流がますます活発化している現代社会では、他者に偏見を持たないという視点であり、重要かつ必要なものである。その自覚を持って主体的に受講していただきたい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 文化人類学とは何か
【第2回】
 文化人類学の研究対象
【第3回】
 文化人類学の研究対象-「他者」とは誰か-
【第4回】
 文化人類学の研究方法-フィールドワーク-
【第5回】
 文化人類学における「文化」①
【第6回】
 文化人類学における「文化」②
【第7回】
 親子の絆-血縁関係-①
【第8回】
 親子の絆-血縁関係-②
【第9回】
 ケガレ-何が汚いのか-①
【第10回】
 ケガレ-何が汚いのか-②
【第11回】
 交換-プレゼントの効果-①
【第12回】
 交換-プレゼントの効果-②
【第13回】
 通過儀礼-大人になる方法-①
【第14回】
 通過儀礼-大人になる方法-②
【第15回】
 文化相対主義という視点