Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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国際関係社会論 I 佐藤 幸男
選択  2単位
【社会】 17-1-1350-3759-05

1. 授業の概要(ねらい)

 国際関係社会論とは、国際関係、国際政治と連動して形成される『国際社会』の特質について考える分野である。とくに、近年、イギリスで台頭してきている『国際社会学』論(いわゆる英国学派)をベースにしながら、現代国際関係の動態を考察する。その過程に至るためには、まずなによりも近代ヨーロッパ国際関係の形成からはじまる『ヨーロッパ世界』の形成、ヨーロッパ近代、近代性のなかに埋め込まれた「西欧優越」と「非欧世界」との分岐にいたる歴史から説き起こす。

2.
授業の到達目標

 西欧一辺倒の世界観の特長とその限界を知り、多文化が織りなす世界観に移行するための術を習得する。多文化共生社会の実現可能性への展望を拓くことにある。

3.
成績評価の方法および基準

 単元ごとの習得度確認小テスト、レポート課題、試験による総合的評価をおこなう。

4.
教科書・参考書

 原彬久編『国際関係学講義(第5版)』有斐閣。

5.
準備学修の内容

 図書館を利用しての資料購読など、討論を交えての準備学習を実施したい。

6.
その他履修上の注意事項

 予備的学習の必修化、その習得達成度確認への準備を怠りなくしておくこと。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ヨーロッパ国際関係社会論とは
【第2回】
 ウェストファリアの神話とユトレヒトの現実
【第3回】
 近代と国際関係
【第4回】
 ヨーロッパ世界の秩序形成
【第5回】
 西欧世界と大西洋奴隷貿易
【第6回】
 「地域」の国際連鎖
【第7回】
 非西欧世界の植民地化と国際秩序形成
【第8回】
 オリエンタリズムと中東世界
【第9回】
 イスラーム誤認:アラビアのロレンス物語
【第10回】
 ヨーロッパ国際関係の基盤として国際法
【第11回】
 国際関係史のなかのアジア
【第12回】
 近代世界秩序と国際法の論理
【第13回】
 世界覇権のダイナミズム
【第14回】
 21世紀世界と社会科学の方法論
【第15回】
 20世紀とはいかなる世界であったのか