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授業の概要(ねらい) |
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学校は学習の場として期待されているが、集団生活を通して人と人が育ちあう場としても大きな役割を果たしてきた。ところが昨今は、不登校やいじめ等の課題が深刻化する中、教師だけで学級を運営するのは難しくなった。心理の専門家を含め(スクールカウンセラー等)、さまざまな専門職が教師と協働して課題解決に取り組むこと、つまりチーム学校の取り組みが始まっている。学校が抱える課題の背景にあるのは、地域・家庭環境・社会における学校の役割等の変貌である。こうした現状に対して、教育心理学はどのような答えを持っているのか、その知見から解決策を探ってみたい。 本授業では「学校教育の課題」「生徒への支援」「支援の基本となる考え」についてとりあげる。今、学校や生徒をめぐる現状はどうなっているのかを学び、その上で、心理の専門家が学校の抱える課題にどのように取り組むことができるのか、受講生の皆さんとともに考えていきたい。
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授業の到達目標 |
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1)学校が抱える課題を知る 2)課題の背景にある家族の変化や地域の変化について知る 3)園や学校における生徒への支援の基本を学ぶ
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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試験および授業内課題への取り組みを総合して評価する。授業内課題への取り組みは、授業中に配布するリアクションペーパーとディスカッションにおける参加状況を評価対象とする(20%)。 なお、試験は最終回に予定している(100点・80%)。 ただし、出席回数が規定に満たない学生は試験を受けることができない。 なお、LMSに掲示された配布資料を2週間以上ダウンロードしていない場合は警告し、それを過ぎると減点する。
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教科書・参考書 |
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テキスト:鎌原 雅彦・竹綱 誠一郎著(2012)『やさしい教育心理学』第3版、有斐閣アルマ 配布資料:LMSを通して各回の資料を配布するので、授業前に各自印刷して授業時に持参すること。
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準備学修の内容 |
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1)授業内容を振り返り、何を学んだのか、何が分からなかったのかを整理する。また、可能な限り図書館を利用して、テーマに関する文献(授業中に紹介するほか、テキストにも参考書が多く掲載されている)を読み、内容についての理解を深めるよう努めてほしい。 2)分からないことがあったら、授業後に質問するか、文献を調べること。
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その他履修上の注意事項 |
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授業は、部分的にではなく、全体の流れを理解して学ぶことが必要である。また、心理学のみならず、学校教育の場についても関心を持つことが求められる。 授業においては適宜ビデオ学習を組み込む予定である。ただし、授業の進行状況により、予定が変更することもありうる。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 本授業の構成・課題・学び方 | 【第2回】 | Ⅰ 学校教育の課題 ① ‟不登校”‟学びからの逃走”‟いじめ” | 【第3回】 | ② 子どもを取り巻く社会的背景の変化 | 【第4回】 | ③ ‟いじめ”と‟差別” | 【第5回】 | ④ 学級における人間関係 | 【第6回】 | Ⅱ 生徒への支援 ① 障がいを理解する枠組みと法 | 【第7回】 | ② 学校教育現場での取り組み | 【第8回】 | ③ 心理教育援助サービスという考え方 | 【第9回】 | ④ 医療現場での取り組み | 【第10回】 | ⑤ 現場を支える心理の専門家 | 【第11回】 | Ⅲ 支援の基礎となる考え ① 発達という現象 | 【第12回】 | ② 遺伝と環境 | 【第13回】 | ③ 知能を測ること | 【第14回】 | ④ 知能テストと学力テスト | 【第15回】 | まとめと試験 |
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