Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
社会精神医学概論 大塚 秀実
選択  2単位
【心理】 17-1-1360-1244-04

1. 授業の概要(ねらい)

 社会精神医学とは、精神医学的な問題が生物・心理・社会の影響を受けていることを前提する学問である。2011年に起きた東日本大震災は、災害時の健康支援にはどんな支援ができるだろうか、という疑問を投げかけた。また、日本で餓死する人がいたという出来事は、貧困問題が日本に存在するということを否応なく意識させられ、私たちに驚きを与えるのに十分であった。こうした問題は、専門家だけが取り組めば解決に向かうものではない。誰もが身近な問題であると捉えることによってはじめて、現実味を帯びてくるものである。
 社会的な問題と精神医学が関連する分野を広く紹介したいと考えている。

2.
授業の到達目標

 学生自身が精神疾患や精神疾患が生じる背景に目を向け関心を抱き、自分の考えを他者にもわかるように伝え、論じることができるようにすること。

3.
成績評価の方法および基準

 リアクションペーパー20%、試験80%

4.
教科書・参考書

 参考書 社会精神医学会編(2009)『社会精神医学』医学書院

5.
準備学修の内容

 毎回授業で紹介する論文や書物を読み考えを深めること。

6.
その他履修上の注意事項

 社会で起こる出来事について興味関心を抱き、積極的に調べること。
 授業内で調査を依頼することがある。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 社会精神医学とは何かについて学ぶ
【第2回】
 日本における精神障害に関する現状と課題を学ぶ
【第3回】
 東日本大震災の支援の現在を学ぶ
【第4回】
 災害とメンタルヘルスを学ぶ
【第5回】
 戦争体験とトラウマを学ぶ
【第6回】
 日本における自殺について学ぶ
【第7回】
 人口動態統計からみる自殺者の経年変化を学ぶ
【第8回】
 ひきこもりの実態について学ぶ
【第9回】
 ひきこもりの援助について学ぶ
【第10回】
 発達障害とは何かについて学ぶ
【第11回】
 発達障害の援助と実際について学ぶ
【第12回】
 貧困問題とは何かを学ぶ
【第13回】
 貧困問題とメンタルヘルスの関係について学ぶ
【第14回】
 試験とまとめ
【第15回】
 試験解説