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授業の概要(ねらい) |
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日常生活において、人は膨大な量の社会的情報を処理しながら、自分や他者や社会を理解し意味づけている。ここでは、社会的情報を処理する個人内の過程に焦点を当て、社会的自己、社会的認知、感情についての研究を紹介する。できるだけ多くの実証研究を通して、人が自己や他者をどのようにとらえているか、他者との相互作用においてどのようなバイアスがはたらくか、社会生活を営む上で感情がどのように役立つかなどについての理解を深める。研究の方法を具体的に把握するために、(1)実験や調査のデモンストレーションを行う機会、(2)現在進行している研究に参加する機会、(3)近年注目されている研究の内容を外部講師にわかりやすく解説してもらう機会を設ける。
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2. |
授業の到達目標 |
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①社会的情報を処理する個人内過程についての専門的な知識を説明することができる。 ②社会心理学の研究を批判的に検討することができる。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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①専門的知識の習得状況を知るための試験の成績(70%) ②社会心理学の研究を批判的に検討できるかを調べるための課題の成績(30%)
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4. |
教科書・参考書 |
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テキストは利用しない。 主な参考図書は次の5冊である。 『社会心理学―過去から未来へ』(北大路書房) 『社会的認知研究―脳から文化まで』(北大路書房) 『個人のなかの社会(展望 現代の社会心理学1)』(誠信書房) 『社会と感情(現代の認知心理学6)』(北大路書房) 『心理学研究法5―社会)』(誠信書房)
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5. |
準備学修の内容 |
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・配布プリントの内容をしっかりと復習し、専門用語を覚える。 ・授業中に出た課題をする。 ・授業中に指定された文献を読む。
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その他履修上の注意事項 |
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・教室の大きさに合わせて、受講者数を制限することがある。その場合、初回授業の出席に基づいて抽選を行うため、初回授業には必ず出席すること。 ・授業中には、私語などの迷惑行為を慎むこと。 ・資料配布および課題提出には、帝京大学のLMSまたはWeb File Serverを利用する。 ・調査や実験を主とする研究に参加し、その研究についての解説を受ける機会を設ける予定である。これらの研究の実施から報告までのいずれの過程においても、研究参加者の匿名性には十分配慮する。結果の報告には、参加者全体のデータを統計的に分析した結果が用いられ、個人を特定できる情報が含まれることはない。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | 個人内過程の社会心理学研究の特徴を学ぶ | 【第2回】 | 自己とは何かを学ぶ | 【第3回】 | 自己の特殊性について学ぶ | 【第4回】 | 自己と他者と文化の関係について学ぶ | 【第5回】 | 重要他者が与える効果を学ぶ | 【第6回】 | 自己制御について学ぶ | 【第7回】 | 近年注目されている社会心理学的研究を学ぶ(外部講師) | 【第8回】 | 身体と社会的認知の関係を学ぶ | 【第9回】 | 潜在的態度と顕在的態度について学ぶ | 【第10回】 | ステレオタイプと偏見の性質について学ぶ | 【第11回】 | 感情とは何かを学ぶ | 【第12回】 | 感情と記憶の関係について学ぶ | 【第13回】 | 個人内過程の研究例を具体的に学ぶ | 【第14回】 | 個人内過程を研究する方法を学ぶ | 【第15回】 | 個人内過程の社会心理学研究の意義と課題について学ぶ |
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